昔、田舎の近所にある公園の横を通るたびに、
「この公園は何だか古いな」
などと感じることが多かった時期がありました。
しかし、ある時、その公園の横を通り過ぎることのない時期があり、
その後、
久々に、その公園の横を数年後に通り過ぎることがあった時に、
「あれ?なんだか公園が新しくなった?」
と感じて、公園を見つめました。
しかし、よく見ると、
遊具は相変わらず錆び付きがあって古い感じもしましたし、
雑草なども一部生えているのも前と大きく変わっていないようでした。
要は、公園自体はよく見ると、以前と大差がないのです。
「では、なぜ新しく感じたのか?」
と考えてみると、
公園のさらに向こう側にあったボロいアパートがいつの間にか取り壊されており、いつのまにか新しい一棟アパートがそこに立っていたのです。
以前のアパートはいかにも年季が経っていることがわかるレベルに茶色くなっていたりしている部分も多かったのですが、
新しくたっていたアパートの外壁は真っ黒でシックな雰囲気があり、如何にも「新しく建てました」と主張しているようでした。
そのため、
綺麗で真っ黒な背景の公園がそこにはあり、それを背景とした公園から、
以前の古くてちょっと汚い雰囲気が払しょくされ、
「ちょっと新しく見える」
という感じに様変わりしたのですね。
心理学で「ハロー効果」なるものがよく言われますが、
背景として機能していたアパートが建て替わっただけで公園すらスッキリとした新しい感じに見えて、その場の雰囲気が良くなったように感じました。
同じように、
目の前にある物
そのものは変わっていないのに、
背景が差し替えられるだけで、雰囲気ががらりと変わり、物に対する見え方も変わってしまうものです。
そのため、
「如何に背景をコントロールするのか」
ということは大事になってくるでしょう。
例えば、
どのような服装で行くか。
どのような自己紹介を始めるか。
どのような伝手で紹介をいただくか。
といった背景事情とも呼べる箇所は大事になってきますね。
これは、視覚的な意味の背景のみならず、文脈的な意味での背景にも関わってきます。
初めて会う人であっても、
良い背景情報
を事前に入手した人と
悪い背景情報
を事前に入手した場合とでは本人を目の前にした時の印象もかわることでしょう。
この辺りの背景情報をコントロールすることができると、他人からの見え方も変わるのですね。
逆に言えば、
相手が背景情報をコントロールしている場合もあるので、それを織り込んで物事を見る必要があることでしょう。