「お金がないよりはお金があった方がいい」
多くの人はこう思っているでしょう。
それは実際に正しいと感じます。
とはいえ、幸せの源泉は別にお金にあるわけではない、というのも間違いがないでしょう。
私が最近強く感じるのは、
「お金を持っていない人ほど、『お金さえあれば○○できたはずなのに』と考えて、そこで思考停止しやすいのではないか」
ということです。
例えば、自分の事をお金がないからモテないと思っている人は、
「お金があればモテるようになったはずなのに」
と考えやすいのですが、
実際に、そこから何年もかけてお金持ちになったところで、多くの場合自分が望んだようなモテ方はしないでしょう。
むしろ、自分が「この人からモテたい」と考えていた人からは以前と変わらずに相手にされずに、お金目当ての人が寄って来て逆に傷つく可能性すらあります。
他にも、
「塾代が支払えなかったからまともな勉強ができなかった」
などといった「言い訳」にお金は使われやすいものです。
実際には、お金があっても、それが直接その人の願望を満たすとは限らず、例えば、難関試験であれば、塾に料金を支払うことのみならず実際に勉強に励む必要があるのです。
このように、
「お金がないからできない」
という発想が念頭にある人は、それに囚われやすく、今ある資源(リソース)から目の前にある課題に対する建設的な問題解決の方法を模索することが難しくなってしまいます。
実際には、そこまでお金持ちではなくても様々な願望を自分なりの方法で叶えている人はいるのですが、
お金を持っていない人というのは、彼らのように柔軟な発想で問題解決の方法を考え抜く前に、
「お金がないから無理」
という結論にどうしても飛びつきやすいのです。
これは、まさに
思考停止
と言えるでしょう。
恐ろしいことにこの
「思考停止状態」
というのは誰もが陥りやすいものでもあります。
「予算がない」
と言われれば、
「そっか、仕方ないね」
となってしまうように、
願望があったはずなのに、それを叶えるのをすぐに諦めてしまうのですね。
貧すれば鈍する
という言葉もありますが、お金がないと「お金がないから」という理由で思考停止状態に陥りやすく、問題解決の方法をそこからさらに試行錯誤しようという意欲が失われやすいです。
そういう意味では、
「今よりも、頭が悪くなるのを防ぐために貯金する」
というのも一つの大きな資産形成の動機になることでしょう。