偶に私が見るのが、
「マジックの種明かし」
に関する動画です。
一度マジックを披露した後に、どのようなタネや仕掛けがあるのかを披露してくれるタイプの動画ですね。
これを見ていると、
「人間は思っている以上に固定観念や思い込みに縛られて脳内で情報処理している」
ということがよくわかります。
例えば、日常的に使用する用具は、自分がイメージしているとおりの物がそこに当然存在しているものだと思い込みやすいです。
具体的には、
トンカチ
などは、
「硬くて、その形状が変わらない物」
などと思い込みやすいことや、
飲料入りのペットボトル
なども、
「当然液体がペットボトルの中全体に入っている」
と思い込みます。
それゆえに、
真っ二つに引き裂かれて、再び元の状態に戻るというタイプの演出のマジックが成立しやすいのですね。
あと、よく使用されるのは磁石もそうでしょう。
本来ならば、貫通するはずのない物に貫通させるタイプのマジックには磁石が用いられていることも多いです。
これも思い込み、固定観念を利用されているマジックです。
このように、マジックのネタの中には、
「AといえばBのイメージ」
が私たちの脳内に一般的に存在することを利用しているものがたくさんあります。
これは、マジックというエンタメが
固定観念を破るもの
であるということを意味しています。
私たちは、「普通」ではない現象に
「えっ!?」
と反応します。
そして、
「どうなっているの!?」
「何が起こったの?」
「面白い!」
と感じるのです。
同様に、
「普通とは違う人」
にも人は興味をそそられます。
「低学歴なのに××」
「低収入なのに××」
「容姿がさほど良くないのに××」
といった
「普通はそうはならないだろう」
と感じるような
意外性のある現象
というのは、マジックを見せられているような気分になるのです。
そういう意味では、
「普通ではない人」
というのは、その存在自体がマジックのようなエンタメであり、
「見たくなる存在」
「気になる存在」
であると言えるでしょう。
たとえ、世間的に有利になるような個性を持っておらず、逆に、短所と評価されやすいものであったとしても、
それゆえに、
「面白い!」
と感じてもらえるようになるのです。
「普通ではな人」
というのは実は、マジシャンのようなエンターテイナーなのです。
「自分は普通の人になれなかった……」
そう感じる人であっても、エンターテイナーになることは可能なのです。
「スペックが良くなかった」と落ち込むことなく、
「意外性」
を追求することができれば、面白さを他人に提供することが可能なのです。