資産形成したい
だとか
お金が欲しい
と考えている場合には、まず始めに以下の方程式を意識する必要があります。
「資産形成=収入ー支出+貯蓄×運用利回り」
つまり資産形成をするには、「収入を上げる」「支出を減らす」、現在の貯蓄に対して「運用利回りを上げる」の3つの方法が有効で、
これは収入と支出と運用利回りという3つの変数に結果が左右されるということですね。
そして、書店やネット上に転がっている、ほとんどのお金の話や資産形成・資産運用の話を見てみるとこの3つの変数のいずれかあるいは全部について言及されていることがよくわかります。
変数がこれらしかないのですから、これらに言及せざるを得ないわけですね。
従って、現状から何か改善したいと考えたときにはこの3つの変数のどれが改善するかについて考えておくことが良いでしょう
そして、一般的に、これらの変数のうち1番自分自身でコントロールしやすいのが
支出
になります。
収入は勤め人の場合は簡単に上がるわけでもなく、
仕事で大活躍したところでたいしてもらえないことも多いです。
昇給した場合も、雀の涙ほどしかもらえないことも多いです。
また、転職する場合も給与が一気に上がるタイプの転職ができれば理想ですが、現実的には景気の動向にも左右されますし、理想の転職ができる人は一握りのようです。
このようになかなか上がりにくくかつ自分でコントロールしにくい部分があります。
残る運用利回りについても、運用利回りが高ければ高いほど良いのですが、しかし、それに比例して難易度が上がったり、リスクも上がったりします。
こちらも自分がコントロールできる範囲が限られてきます。
そのように考えていくと、資産運用に興味がある方の場合は、まずは多くの人にとって自分のコントロールしやすい変数である支出の部分に着目して少しずつ取り組んでいくと、成果が目に見えやすくなるため、モチベーションを維持しやすいのではないかと考えます。
要は、目標を何か達成したい場合には、それを達成するにあたってどのような変数が必要になるのか把握をして、変数のうち1番自分がコントロールしやすいところから着手するのがオススメという話です。
そのやり方を意識するとモチベーションを維持しやすいというメリットがあります。
もちろん、
「自分は起業しているし、自営業者として成功しているから収入は青天井!」
という人は収入の部分を上げるのが得意、それを強みとしていると言えますし、
「自分は投資、トレードが得意!テンバガーを狙うのも余裕!」
という人は運用利回りの部分を上げるのが得意、それを強みとしていると言えるので、
そのような人は、支出には拘らずに、自分が得意なところから着手するとモチベーションが維持しやすいのではないか、と思います。
変数が3つあるということは、例えばサイコロを3回振ってみたときに、
すべて1の目が出た場合
と
すべて6の目が出た場合
とでは天と地ほど結果が異なるわけです。
とはいえ、これらすべての変数の重要性が同等の価値をもっているわけではないという辺りも注意が必要です。
例えば、FIRE、すなわち経済的自由を達成してさっさと勤め先を退職したいと考えている人の場合には、これら3つの変数のうち一番安定した成果が出やすいのは支出が低い場合です。
↑でも、色々と計算していますが、やはり支出が少ないと貯蓄率が劇的に上がりやすくなるため、目標達成までの必要年数が劇的に変わります。
個人的には、事実上生きていくための固定費と化している「基礎生活費」については、自分自身の時間を要する労働所得ではなく資産所得でまかない、何らかの事情でそれ以上の支出を伴う場合にはその分は追加で労働収入を得たところから補う、というサイドFIREと呼ばれるやり方が多くの人が採用しやすいと思っています。
そのためにもまず重要になってくるのが、「基礎生活費」という支出についてセルフモニタリングを重ねて現状を把握することになりそうですね。
話を戻すと、何か目標達成したい場合には、
①そもそも変数は何か?
②今の自分が一番改善しやすい変数はどれか?
をまずは考えて、そこから着手すると非常にスムーズです。
これらはお金の話に限らず、他の分野、例えば、ダイエットなどにも言えることです。
ダイエットは基本的に、
食事
と
運動
を改善することが重要になってくるわけですが、
例えば、今までまともに運動してきたことがない人が、
取りあえず3キロ走りましょう
とか、
筋トレを毎日20回ぐらいは頑張りましょう
とか
言われても正直困るわけですよね。
私の場合はできる気がしません。
なんだかんだで結局続かなかったという人も多いのではないでしょうか?
これは、年功序列の賃金体系がしかれている勤め先で働いている人に向かって、「本業で仕事を頑張れば、成果を出せば昇給するから収入は増やせる!」とアドバイスしているようなもので、そもそも報われる可能性が低いですし、いつまで頑張ればいいのかもよくわからないし、できる気がしない→頑張る気になれない、ということになりかねません。
個人的には、ダイエットの場合は、ほとんどの人は運動よりも食事から着手した方がいいと思っています。
そして、食事もいきなり全部変えてしまうのは厳しいので、3食のうち1食だけ置き換えたりだとか、1品だけ置き換えてみたりだとかして少しずつ変えていくのがオススメです。
私の場合は↑のように少しずつ食事内容を置き換えてきています。
これはいずれも、当時の自分がコントロールできる範囲で少しずつ変数を改善している例です。
もちろん、もともと運動するのが好きだったり、運動するのが得意な人は、運動から頑張ることが良いと思っています。
これらを意識しつつ、どれだけ自分の努力が報われたのかを把握できるようにセルフモニタリングをすることがモチベーションとの関係では良いでしょう。
このように、何事もモチベーションを維持しなければ目標達成するまでに挫折しやすくなってしまうため、モチベーションを保ちやすくするために自分がコントロールできる変数から着手するのが良いでしょう。
その前提として、資産運用における、
「資産形成=収入ー支出+貯蓄×運用利回り」
のように、
聞きかじった物をがむしゃらに頑張るのではなく、
まずは俯瞰的に、体系的に見て、変数を把握する
ことは長期的な計画を立てるに当たって極めて重要になるでしょう。