私に限らず、多くの人にとって、仕事をしていて一番楽しい瞬間があるとしたら、それは、
「自分が頼られていることが実感できるとき」
だと思っています。
ここでいう「自分が頼られている」というのは、
「あなただからお願いしたい」
とクライアントに言われることを指しています。
そもそも、仕事の中には
誰にでもできる仕事
と
ほとんどの人ができない仕事
というのがあると思います。
そして、いわゆる勤め人の場合には多くの場合前者の仕事が振られます。
誰にでもできる仕事ゆえにその人でなければいけない理由は特に存在せず、何らかの理由で、
「この人は使いにくいな」
と感じてしまうと、他の人にじゃあ変えようという話になります。
しかし、プロフェッショナルと呼ばれるような極めて専門性の高い人になってくると話は変わってきます。
彼らは労働力を商品化して勤め先に売っている労働者とは異なり、自分の個性とスキルを発揮してそれを商品化してクライアントにサービスを提供しています。
したがって、彼らを求めるクライアントというのは、
「誰でも正直良いけれど、困っているのでお願いしたい」
というのではなく、
「あなただからお願いしたい」
という気持ちを持って頼ってきます。
このようなクライアントの気持ちがプロフェッショナルと呼ばれる人たちにとっての報酬になるのでしょう。
もちろん、
「あなただからお願いしたい」
と言われるような素晴らしい人物にならなければそのような話にはなりませんが、
仕事に本気で情熱を傾けたり喜びを感じている人というのは、このような報酬を得られている人なのだと思います。
そして、人が仕事に対して楽しいとか充実していると感じることができるのは、このような状態に至ることができたがゆえなのかなとも思います。
このような仕事に対して充実感を感じられるような状態にまで至るには現実的には多くの時間がかかると思います。
しかし、もしそこに達することができたらよい職業人生が味わえることでしょう。
そのためにも、今いる自分のスキルや個性を発見してくれて、「あなただからお願いしたい」と実際に入金してくれるクライアントは今後とも大切にしたいものだと切に感じます。