いかにして貯蓄を増やすのか?
ということを考えた場合、
基本的には、
収入ー支出=貯蓄額
ということになると考えられます。
この貯金額を増やそうと思った場合、
収入を増やすか、
あるいは
支出を減らす
という行動が必要になってくるわけです。
このうちの
支出を減らす
という行動の方を、
倹約
だとか
節約
と呼ぶことが多いようです。
ところでこの、
倹約
とか
節約
としてやるべきことというのは、
今までは当たり前のように行っていた今の支出を見直す
ことになるでしょう。
それは家賃などの固定費かもしれませんし、
食費や交際費などの一般的に変動費と呼ばれる部分かもしれません。
いずれにせよ、やることとしては、
手元にあるお金を今のタイミングで使用するか
あるいは将来のタイミングで使用するのか
という判断が入ってくることでしょう。
例えば、1年後に大学に行くために学費を貯めておかないといけない
だとか
1年後に住宅を購入する予定があるから頭金を貯めておかなければいけない
という事情から
今月の支出を減らす
という判断をする場合、
やっていることというのは、
1年後に使用する予定のお金を確保するために今のタイミングでは敢えてお金を使用しないという判断をしているといえるでしょう。
このように、基本的に支出を減らすという方向性の貯蓄活動というのは、
今ではなく、未来の何らかの目的のために、今の時点で何かしらのアクションを行ったり、今までやっていたことをやめたりすることにつながります。
これは未来に向けて現在の自分が
種まき
をしているのと同様の行動と言えるでしょう。
今の自分の行動が未来の自分を助けるための行動となっているわけです。
ところで、これは何も貯蓄といった場面の話に限らないことと考えられます。
例えば、あなたは学校などから出た宿題をいつのタイミングでやっていたでしょうか?
特に夏休みの宿題をいつのタイミングでやっていたでしょうか?
人によっては、夏休みの宿題を夏休みが始まる前にすでに終わらせてしまって次の学期の予習などのような前倒し学習をしている人もいます。
これは、前倒し学習を今の時点でやっているという意味で、
今ではなく、未来の何らかの目的のために、今の時点でアクションを行っているといえるでしょう。
そういう意味では、
夏休みが始まる時点で次の学期の学習のための
貯蓄活動
を行っているともいえそうです。
このように学校から出された宿題一つをとっても貯蓄活動をできているかどうかでその後のその人の人生に少なからず影響を与えることでしょう。
社会人になってからは目の前のことで忙しくて宿題のことなどすっかり忘れてしまった人もいるかもしれません。
しかし、社会人に課せられる仕事の中には当日に急に降ってくる仕事もあれば、
一か月後までにやっておいた方がよさそうな仕事
や
1年後までにやっておいた方がよさそうな仕事
というのも実はあったりします。
当日に急に降ってくる仕事はその日に取り組まざるを得ないので大きな差は出てこないことが多いです。
しかし、
一か月後までにやっておいた方がよさそうな仕事
や
1年後までにやっておいた方がよさそうな仕事
というのは、直前になるまで上司を始めとして誰からも何も指摘を受けないことが多いです。
したがって、当日降ってくる仕事に忙殺されたまま
いつの間にか一か月後になってしまった場合、
もともと
一か月後までにやっておいた方がよさそうな仕事
だったものが、
今日までにやらなくてはいけない仕事
に急に変貌する場合があるわけです。
こうなってしまうと、
もともと当日中にやらなければいけない仕事がどんどん降ってくるという厳しい状態であるのにもかかわらず、もともと余裕のあったはずの仕事までもすぐに取り組まなくてはいけない
という窮地に陥ることがあり、
このタイミングで破綻してしまう人も続出します。
これは予め、
一か月後までにやっておいた方がよさそうな仕事
という
一種の宿題
に対する取り組み方の問題でもあるでしょう。
予め、そのような一か月後までの仕事に取り組んでおけば結果は少しでも変わっていたことでしょう。
本人はダラダラと取り組んでいるつもりはなくとも、一か月の間に何かアクシデントが起こってしまうとも限りません。
例えば、
その仕事のキーパーソンが入院してしまって突然動けなくなってしまう
ということも一応あり得るわけですね。
自分自身が入院してしまって動けなくなるという場合もあり得るわけです。
このような未来の自分のために
例えば、一か月後までの宿題・仕事を今やっておく・わかるところまで取り組んでおくという
「貯蓄活動」
を予め行っておくことは地味に重要なことなのです。
今ではなく、未来の何らかの目的のために、今の時点で何かしらのアクションを行ったり、今までやっていたことをやめたりする
という現在視点だけではなく、
未来視点も交えた行動をとることができると
あらゆる
「貯蓄活動」
が可能になります。
そして、この「貯蓄活動」によって、
過去の自分が現在の自分を助けてくれるということもあるのですね。
目の前のことで既に精いっぱいという余裕がない時にはなかなかこれはできないことかもしれません。
しかし、一旦余裕ができた人は、
このような
「貯蓄活動」
に目を向けてみるとそこからより盤石な体制を築くフェーズに移行することが可能になるでしょう。