『スノーボール』という「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットが書いた自伝があります。
スノーボールというと投資をやったことがある人は複利効果の喩えとして聞いたことがあるでしょう。
すなわち、タネ銭として、小さなスノーボールをまずは作ることが大事で、そこから、長期でそのスノーボールを段々と大きくしていく。
最初の加速度は大したことがなかったとしても、
時がたつにつれて、
複利効果
によって
段々と小さなスノーボールが巨大なスノーボールとなる、
ということですね。
したがって、投資をしようと考えている人は
なんとかタネ銭を確保して、この小さなスノーボールをまずは作ることが大事という話です。
それは100万円や1000万円程度から始まるかもしれませんが、
いずれにしろ、
核となるべきスノーボールを確保することが大事なのですね。
そして、このスノーボールの話は何も投資に限った話ではないようです。
「ちょうどいい具合の雪があれば、スノーボールは必ず大きくなる。私の場合がそうだった。お金を複利で増やすことだけを言ってるのではないよ。この世のことを理解し、どういう友人たちを増やすかという面でもそうだった。時間をかけて選ばなければならないし、雪が良くくっついてくれるには、それなりの人間にならなければならない。自分が湿った雪そのものになる必要がある。スノーボールは山を登ってひきかえすことは出来ないから、転がりながら雪をくっつけていった方が良い。人生とはそういうものだ。」
引用:『スノーボール』
「どういう友人たちを増やすか」
というのも重要ですね。
人間関係の構築のためにはどうしても時間が必要です。
誰かと仲良くなるために、会食行ったり、飲み会に行ったことがある人もいるでしょう。
それを行うために自分の時間を費やすことになります。
奢りでもなければお金も減っていきます。
その人との交流のためにそこまでやる必要があるのか?
その人は自分の時間やお金をかけてでも付き合うに値する人物なのか?
ということはよく考える必要があります。
類は友を呼ぶ
という言葉があるように、
仲良くなった人同士のレベルは同じになることが多いため、
微妙な人との付き合いを継続していると、微妙な人との縁だけがそこから広がっていくのです。
そのような形で転がってできていくスノーボールも存在します。
逆に、自分が望んでいるような人とつながることができるようになるのかといえば、簡単になれるわけではない、というのも難しい点です。
「どういう友人たちを増やすかという面でもそうだった。時間をかけて選ばなければならないし、雪が良くくっついてくれるには、それなりの人間にならなければならない。自分が湿った雪そのものになる必要がある。」
相手から自分が選ばれないと友人になることができないのでそれを願う場合には自分のレベルを上げるしかないのですね。
一回飲み会などに行ってみて相手の話を聞いたうえで、「この人とこれ以上仲良くなっても仕方がない」と感じた相手とは次からは交流しない、と決めているお金持ちの人もいるようです。
シビアと言えばシビアですが、
付き合いによって時間やお金などの資源が減っていくことを考えると、付き合う相手は厳選する必要があるということでしょう。
そして、厳選するということは、
「自分はこのような人物とは積極的に付き合うし、このような人物とはなるべく付き合わない」
といった行動指針、意思決定基準がその人の中にあるということですね。
気づいたら、自分の望まない人たちに囲まれるという形でスノーボールを大きくしてしまった、
という状態を避けるためには、
最初の段階で、
どのような巨大なスノーボールを自分は欲しいのか?
ということを自問し、それに応じた小さなスノーボールを少しずつ転がしていくことが必要なのでしょう。
これはすなわち
「自分の人生の目的とは何か?」
という大きな問いにつながるでしょう。
そして、その問いに応じた、
小さなスノーボールが自分自身の核につながるのです。
そのような自分自身の核を見出したら、あとはそれを坂を転がして大きくしていくだけです。
したがって、なるべく若いうちに
自分の核となるスノーボールをまず創ることが大事
ということになるのですね。