「転職、したことありますか?」
すなわち、
今まで勤め先を変えたことがありますか?
以前から、
「転職は人生を変える絶好の機会である」
と言った話をしています。
改めて考えると、
日本社会では
「近年は転職するのが当たり前になってきた!」
と言われつつも、
なんだかんだで、長年の勤め人の経験がある人であっても、
「20年働いてきて、3回転職しました」
といった感じの方が多く、
「私は一年に一回のペースで転職しています」
といった
ものすごく頻繁に転職している
方は少数派と思われます。
これはおそらく、次の勤め先を決める転職活動にあたって、企業から
「短い期間で退職するような我慢強くない人は要らない」
という判断をまだされやすいといった現実的な壁の存在があるのだと思われます。
引っ越しは、初期費用さえ払い続けることができれば超短期間のスパンでも引っ越しをし続けることが可能です。
私自身も何度も引っ越しの経験がありますが、
例えば、1年に一回や、数か月に一回といったペースで賃貸物件を用いた引っ越しができるのは、
①前の賃貸期間を賃貸物件の賃貸人などに知られることによって、②賃貸借契約を断られるということが基本的にない
という点が大きく影響しているのだと思われます。
一方、転職の場合は、
「なるべく長い期間働いてもらって、最初の数か月間のお試し期間のパフォーマンスの低い時期の投下資本分をきっちり回収したい」
という勤め先側の事情があるため、
①前の勤め先の在籍期間が企業側に知られることによって、②雇用契約を断られることがある
といった現象が起きやすいです。
①と②の要素がポイントだと思われます。
すなわち、いわゆる転職活動の場合は、
①の要素について重要視して履歴書などによって申告を求め、それに基づいて採否が決まりやすいのですが、
引っ越しの場合は、
①の要素について重要視していない場合が多かったり、そもそも自己申告を求めていない
ようですね。
もっとも、これは大家さんの考え方によって多少左右されてきます。
例えば、
「うちの物件には、なるべく長い期間住んでもらいたいから、もともと引っ越し癖のあるような人はお断りしたい」
といった方もいるかもしれません。
というのも、敷金などを厚めに設定していない場合、短期間で入退去が繰り返されてしまうと、その数が多ければ多いほど、経費が掛かりやすい傾向にあるため、
特に回転率を上げることを意図した事業計画を練っていない限りは、同じ人に長期間にわたって入居してもらい、安定した家賃収入を得たい、
と考えている方が多いからです。
しかし、それにもかかわらず、
転職活動における履歴書の記載内容と異なり、
引っ越しの際には、前の入居状態に関する情報はさほど重要なものと認識されておらず、
「ちゃんとこの人は家賃を払えるだけの資力、収入が期待できる人物なのか?」
といった情報に関するエビデンスをメインで求めることが慣行とされているのは改めて考えると面白いなと感じます。
もちろん、そもそも入居者に家賃を払ってもらえないのが怖いといった懸念を真っ先に案じるのは私自身重要だと考えておりますが、
転職活動において重要視される要素と引っ越しで次の賃貸物件を探す際に重要視される要素に違いがみられるのは面白いと感じます。
結果として、現実問題、
引っ越しを行える頻度よりも、転職を行える頻度の方が少なくなりやすい
と言えるでしょう。
これは、
変化を求める場合、引っ越しによる変化は望みやすいが、転職による変化はそれと比較してなかなか望みにくい
とも言えます。
人の成長や、進化というのは、その人の変化によって生まれるのですが、
転職の場合は、そのための機会がどうしても少なくなりやすいのですね。
よりたくさん進化したい
とか
よりたくさん成長したい
といった向上心の高い人の場合、
このような変化の機会を掴み続けることが大事になるわけですが、
転職の場合、そもそもその機会は少なくなりやすいということは覚えていて損はないでしょう。
逆に言えば、
「なんだかこの話は良さそうだ!!」
と感じた場合、
すなわち、目の前に来たカードが良さそうだ!と感じた時に
サッ!
とそのカードを取れるかどうか、
そのような勇気があるのか、身軽な状態であるのか、
ということは非常に重要になるでしょう。
転職において、
「優良カードだ!」
と思ったら、勇気をもって飛び込みましょう。
転職によって、良い環境を手に入れることができれば、ますます飛躍することが可能になるのです。