もともとは、勤め先の激務に耐え、貯蓄をしながらずっと金融商品に投資をし続けることをもって、経済的自由を私は目指してきました。
すなわち、勤め先において働かなくても生きていけるだけの収入(いわゆる4%ルール)を金融商品から得ることで一応の目標としては十分であると考えていたわけです。
数々のセミリタイアブログを見ていても数千万円の金融資産を持ってアーリーリタイアしている人は結構いたりします。
それもあって、それだけで十分であると考えていたわけで、敢えて不動産投資に着目するべきインセンティブがもともとあまりありませんでした。
しかし、そこから発想が変わって、今では不動産投資に着目するべき理由が幾つもあることに気づいて、そこに対して強い関心があります。
①株式市場が不調でも不動産からの収入は比較的安定する
私は金融商品に投資をしていますが、メインはインデックス投資です。
一部高配当ETFにも投資していますが、それでもメインはインデックス投資であり、結局は株式メインです。債券はほとんど買っていません。
株式の価格は市況によって大きく左右されてしまいますし、高配当ETFも減配になる可能性があります。
実際、2020年には私が投資していた高配当ETFが減配しています。
実際に株式市場の地合いが悪い場合には何年も悪い状態が続くのですからその時期がいつか来るのを覚悟しなければなりません。
2010年代はずっとおおむね右肩上がりの相場だったので、ほとんどありませんでしたが、株式市場は何年もの間安定して低空飛行のままという場合もあります。
私自身はあまり詳しくはありませんが「もう株式に投資してもリターンが得られない」と周りでささやかれるような状態が3年とか長期間にわたって続いてしまえば、どうしても不安に駆られたり、狼狽売りするということもありうると思います。
今は全く想像がつきませんが、そういう事態が発生する可能性というのは十分にあり得ます。
もし、そういう事態が発生した場合に、勤め先も既に辞めていたり、リストラされていたりしていたらどういうメンタルになるでしょうか。
私の場合、金融資産から取崩しをして生活するという事態は精神的にキツいものがあると想像しています。
あるいは再就職先を探すのでしょうか?切羽詰まっているときの再就職というのはきついかもしれません。スキルによっては交渉力が無くなっている可能性があります。
私は元々メンタル的にもリスクを取るのを怖がるところが強いので、例えば、収入を配当所得のみにしてしまうということ事態がそもそも怖いと感じています。
今は、勤め先からの給与所得と配当所得がありますが、後者のみですとやはり心細いと思います。
ここはやはり、他の所得、例えば、事業所得や不動産所得なども並行して育てておきたいところです。
複数の収入源があることが望ましいと考えています。
そして、そのうちの不動産所得は投資対象にも依りますが、特定の立地のレジデンシャルならば比較的安定していると考えられます。
株式市場が低迷して労働市場も低迷しているときに備えて、比較的安定している不動産からの収入も増やして、リスクヘッジをしておきたいです。
②不動産投資ならば勤め先の社会的信用力を用いることができる
不動産の現物ではなく、REIT(不動産投資信託)を購入すれば良いのでは?
確かにその発想はありかもしれません。
しかし、不動産の現物で投資をする場合には、融資を使用することができます。
現状の融資状況で、LTVがどこまで高められるのかという問題はありますが、レバレッジをかけることができるのは不動産投資の大きな魅力です。
レバレッジを活用すると言うことは金融という形で時間を買うことになります。
通常、金融商品などは含み益などがあったとしてもなかなか担保価値を認めてもらえませんが、不動産の現物であれば、担保価値がある程度認められやすいので、ある程度返済が進んだらもう一度不動産の現物を活用する余地が生まれます。
このような意味で、私は特にBSを意識した不動産投資に興味があります。
具体的には、区分マンションのような、土地値がほとんど反映されない(敷地部分の共有持分が少なすぎるため)ような不動産投資は興味は無いです。
区分マンションは建物自体の価値に注目して投資することになると思いますが、そもそも建物の価値は不可避的に下がっていってしまいます。永久的に価値が残るのはやはり土地です。
そして、不動産投資を始めようと思った際に最も問題になるのは融資ですが、これは何の実績も持っていない人の場合、勤め先の社会的信用力を用いたアパートローンをメインとして頼ることになるでしょう(他にも一応いくつか方法はありますが)。
せっかく激務に耐えてある程度の年収をもらえる立場にいるので、これをしっかり活用していきたいと考えています。
そして、不動産投資においてある程度実績を残すことができたら、勤め先の社会的信用力に頼る必要がなくなるので、その時が来たら勤め先の年収を下げ、ホワイト企業に転職するなどの手を安心して打つことができると思います。
③会社を経営するという経験を積むことができる
不動産投資は個人所有でも法人所有でもすることができます。
しかし、私の場合は、個人の方の収入がもともと低くはないので、税金の関係で最初から法人所有でやらざるを得ません。
法人を設立してしまうと色々な手間は確かに発生してしまいます。
しかし、所得の分散や節税が法人設立によって上手い具合に可能になるため、まずは不動産投資という形で会社の経営に慣れるためのトレーニング、経験値を積みたいと考えています。
自分の責任で法人を設立してみて初めてわかるようになったり、見える景色が変わったりしてくるところがあると思われるので、この点に強い期待感があります。
今は不動産投資のために会社を設立する予定ですが、私のことですから今後他の事業を行うことに興味が湧いてくると思います。
不動産投資はビジネスモデルの中でも比較的変数が少ないと思われるビジネスなので、まずはその経験を積んでおいて感触をつかんで次の事業のための良い経験になるようにつなげていきたいと考えています。
早期リタイア目的とは異なる私の不動産投資の目的
以上のように、私の場合、単純に早期のリタイア志向のために不動産投資に興味があるというわけではなく、
①収入の複線化
②資産のポートフォリオの一部としての不動産投資
③勤め先という社会的地位に極端に依存しすぎずに、これを利用して、自分自身で社会的地位を育てたい
④会社経営の経験値を積むため
のために不動産投資に挑戦したいと考えています。
したがって、単純にCFが多ければ良いと言うよりは、事業価値の最大化をメインの目的に考えていきたいと考えています。