「あなたの開運アクションは、断捨離です!」
といった形で、
物を捨てること
は最近もてはやされることが多くなってきました。
小さい頃から、
「ちゃんと片づけをしなさい!」
と言われたことのある人も多いと思われますが、
片づけ、
すなわち
整理整頓
を行うためには、
まずは、不要な物を捨てること、断捨離から始めることになります。
そして、整理された、残った手元の物を用いて、
うまい具合に収納したりすることによって整頓するのですね。
「ちゃんと片づけをしなさい!」
と親が子供に対して言っているのを見ると、
片付け
という行為は一見大した行為ではないように見えがちですが、
実は、
①整理(不要物を捨てる、断捨離)
の上で、
②整頓(物を配置して、住空間をデザインする)
を行う
という地味に高度な技能を要求されることになります。
多くの人は、
①整理(不要物を捨てる、断捨離)
の段階で躓いてしまいがちで、なかなか②の段階まで行けないこともあるようです。
なぜ、そうなってしまいがちなのでしょうか?
これは、
①整理(不要物を捨てる、断捨離)
の段階で要求される、
「これは、私にとって必要な物 or 不要な物?」
という問いになかなか答えられないからです。
「これは、私にとって必要!」
とか
「これは、私にとって不要!」
といった判断は、単なる事実ではなく、評価です。
人によって判断が分かれ得るものですね。
例えば、
あなたの部屋にずっと前に購入していた資格試験の対策本が存在するとしましょう。
そして、あなたは、その資格試験の対策本を購入してから一度も開いたことはないとしましょう。
この資格試験の対策本はあなたにとって必要な物でしょうか?あるいは不要な物でしょうか?
これは、一般論で決めてよい話ではなく、答えは、あなたの中に存在するはずです。
もし、あなたがその資格試験に現在興味がなく、おそらく今後も勉強することはないだろうと考えるのであれば、その資格試験の対策本は不要かもしれません。
一方で、あなたがその資格試験に現在ちょっと興味が湧いてきていて、数か月後に受験することが確定しており、その対策のためにその対策本を使用する可能性があるのであれば、その資格試験の対策本は必要かもしれません。
同じ物であっても、人によって必要or不要の判断は分かれるのですね。
そして、このような必要or不要の評価を行うにあたって、
上記のような何らかの根拠も存在するはずです。
そして、この根拠というのは急に大きなスケールになってしまいますが、
「あなたが今後どんな人生を歩みたいのか」
によって決まります。
上記の例で言えば、
その資格試験を今後受験することや合格することがあなたの人生においてどれほど価値があることなのか?
という質問に関連付けされることになります。
これは、自分の今後の人生についてよく考えている人であればあるほど明快な回答が出せるようになります。
逆に、あまりよく考えていない人の場合は、
「いや、どうなんだろう?……もしかしたら必要になるかもしれないし、もしかしたら必要ないかもしれない……」
とどこか曖昧になりがちです。
「あなたが今後どんな人生を歩みたいのか」
このイメージが明確になればなるほど、
「これは、私にとって必要な物 or 不要な物?」
という判断基準も精緻に確立され、より整理が得意になっていくことになります。
片づけを試みることは、ぶっちゃけ面倒な物で、
「これは、私にとって必要な物 or 不要な物?」
という判断を毎回要求されることになります。
これは、例えるならば、毎回テストを受けさせられるようなものです。
片づけをするたびに、
「これは、私にとって必要な物 or 不要な物?」
という問いをあなたの中で回すことにつながりますし、
ひいては、
「あなたが今後どんな人生を歩みたいのか」
という大きなところまで考えを及ぼすことを迫られることになります。
片付けの最中に、部屋の中にあるAという物を見て、
「これは、私にとって必要!」
と即答できる一方で、
部屋の中にあるBという物を見ると、
「いや、どうなんだろう?……もしかしたら必要になるかもしれないし、もしかしたら必要ないかもしれない……」
となるかもしれません。
片づけをすることで問いを投げられるので、自分の中でどこまで明確な判断基準があって、どこからは明確な判断基準が存在しなくなるのかがなんとなくつかめるようになります。
このようなことを繰り返すたびに、
「今後どんな人生を歩みたいのか」
と考えを及ぼし、そこから、
「これは、私にとって必要な物 or 不要な物?」
という判断の根拠を少しずつ考察できるようになるのです。
片づけをすることによって、
このような
テストを出されてそれに対して頑張って回答を考える
といったプロセスを何度も経ることになります。
その度に何らかの回答を出し続ける、といったプロセスを経ることで、
「今後どんな人生を歩みたいのか」
という大きなスケールに対する回答も少しずつイメージとして出てくるようになり、
それがあなたの中における判断基準を少しずつですが、しかし、確実に精緻な物にしていくことになります。
このように考えてみると、
片づけをするだけでちょっと頭が良くなる
といえるのかもしれません。