小さい頃からの夢
というと
何かを思いつく人もいれば、
特に何も思いつかないという人もいます。
例えば、
「プロ野球選手になりたい」
とかつて夢を持っていた人が、
思っていたよりも実力が伸びない
とか
途中で怪我をしてしまい野球ができない状態になった
とか
家庭に確実に収入を入れないといけない
といった状態になり、
プロ野球選手になるという夢を諦めてしまうということもあるようです。
そのような人でも、夢破れた道から完全に目をそらした結果、悪くない結果に落ち着くことがあるため、
いつのまにか
荒唐無稽な小さい頃からの夢
を忘れてしまうこともあるようです。
こういう人は他人から
「あなたには夢がありますか?」
「あなたは将来どうしたいんですか?」
などと突然聞かれたとしても、
「いや、別に……」
とか
「特に何も……」
と真顔で答えるようになることでしょう。
特に、今目の前の状況に大きな欠陥がないという状態の人は、
「夢とかもうないな。年齢的にもう無理だろう。」
という心境になっているのかもしれません。
しかし、かつて夢破れた道であっても、ふと思い出すことで事態が大きく動いてしまうという例が存在するのです。
具体的な例としては、
プロ棋士となった瀬川晶司さんという方がいます。
プロになるために奨励会に入っていたものの、当時のルールでは26歳になるまでにプロになれないといけない年齢制限が存在し、彼はそれにひっかかってしまったことで一度は夢破れたそうです。
絶望した彼はその後大学生になりましたが、将棋とは縁を切っていたらしいです。
しかし、そんな彼の人生に転機が訪れます。
かつて一緒に将棋をやっていた幼馴染と再び将棋をさしたことがきっかけで、再び将棋道場に通い始めアマチュアの大会で活躍し始めます。
アマ名人となってからは彼は次々とプロを破ったことで彼は話題を集めることになりました。
彼は当時経済的に自立しなければいけなかったことから就職活動を行い会社員となったそうですが、入社3年目になるまでにもプロを破り続けており、
「プロになる気はないか」
と声をかけてもらったことがきっかけでプロ編入試験を行うこととなり、それを見事に突破してプロ棋士に彼はなったそうです。
そして、プロになって棋士で初めてスポンサーがついたのはかつて働いていた勤め先だったそうです。
彼のように一度夢破れた道だっても、ちょっとしたきっかけで引き上げてもらえることもあるようです。
彼の言葉の中で印象深いのは以下です。
「大事なことは、努力を続けることだと思っています。そしてもうひとつは、夢を声に出すこと。こうなりたい、こうしたい、とまわりに伝えること」
https://next.rikunabi.com/journal/20180905_p11/
夢は自分の中にとどめておくのみならず、声に出したり、周りの人に知ってもらうことも重要になると言えるでしょう。
その前提として、自分の中でも、
「夢を諦めたくはない」
という気持ちを大事にすることなのだと思います。
あなたは、かつて、夢破れた道をふと思い出すことはあるでしょうか?
そして今もなお、
「諦めたくはない」
という気持ちになるでしょうか?
先の瀬川さんは以下のようにも語っています。
「遠回りしたことで、好きなことを仕事にすることがいかに幸せなことか、ということを改めて実感しました。そのまま棋士になっていたら、そこに気づけなかったと思います」
https://next.rikunabi.com/journal/20180905_p11/
最近は、
早く成功した方が素晴らしい
と言われる風潮が強いと感じますが、
しかし、そうとは限りません。
最短距離だけが良いわけではなく、むしろ、遠回りした方が、遠回りしたが故の学びがあると言えるでしょう。
このように、
かつて夢破れた道であっても、ふと思い出してみると、何かが起こるきっかけになるかもしれません。
彼のエピソードはそのような勇気を私たちに与えてくれると感じました。