ここ最近、特に2010年代の後半からは、
「日系企業は年功序列の給料体系だから若い頃は全く報われない」
「日系企業よりも外資系企業の方が報酬水準が高い」
「日本は地盤沈下しているからさっさと海外に行った方がいい」
という話が持ちきりとなり、
初めからGAFAなどを始めとした高い報酬を提示してくれる外資系企業に就職したり、
日系企業でしばらくOJTを重ねてから、高い報酬を提示してくれる外資系企業に転職したり、
といった動きが活発に行われていました。
このような形でどんどん日本から人材流出が行われており、
それにもかかわらず、
「若い人でも優秀な人には高い年収を提供します」
といった日系企業はなかなか現れてはいませんでした。
そのような動きもあって、
最初は日系企業に就職するものの、ゆくゆくは外資系企業に転職するという目標を掲げてコツコツ頑張る
といった動きも若い人には見られ、
日系企業がトレーニングの場所、次なるステップアップのための腰掛けの場所として扱われていたようです。
しかし、ここ最近になって私の身近において、外資系企業ではなく、
日系の事業会社においても、
20代で年収2000万円台
や
30代で年収3000万円台
といったオファーをもらって転職していく人たちの事例をぽつぽつと聞くようになって来ました。
求人を見ていると、以前は
中途採用の枠で、年収800万円や、年収900万円といったように、年収1000万円未満のレンジを出して募集を行っていたところが多数あったようですが、
それではさすがに彼らが求めている「優秀な人材」はもはや誰も応募してこないと悟ったのでしょう。
求人検索でおそらく対象者から足切りされていて、見向きすらされていないのかもしれません。
そのため、
上記のように、20代で年収2000万円台や30代で年収3000万円台といったオファーを出すと言い出す日系企業が現れ始めたようです。
もちろん、ここでいう対象者というのは、おおむね、
高い専門性×高い語学力
を要求するものであり、かなりのハイレベル層を想定しているようです。
しかし、
「若い人でも優秀な人には高い年収を提供します」
と言い出す日系企業が少なからず出てきているというのは見逃せない現象だと感じます。
おそらくは、最初はトップクラスの層にこのようなオファーを出す動きを重ねるうちにその下の層にまで少しずつ給料に影響が出てくると思われるので、
まだまだ目に見える影響が出てくるのは先かもしれませんが、数年後には、もう少し給料体系について見直しをする日系企業も増えてくるかもしれません。
そうなってくると、
無理して、個人で稼ぐなり、外資系企業に行くなりするという形で外貨で稼ごうとしなくとも、
例えば、すでに、「外貨で稼ぐことが既にできている日系企業」の勤め人になるという形で、その恩恵にあやかることは可能になるかもしれません。
直接、外貨で稼ぐというとかなりのハードルを感じてしまい、
人によっては、
「自分には無理」
と感じてしまい、諦めてしまう人もいるかと思いますが、
例えば、もともと外貨で稼いでいる組織に勤めたり、外貨で既に稼いでいる個人と取引を積極的にすることで事実上その恩恵にあやかるという形を目指すのも一つの戦略だと感じます。
これは、金融商品で、例えるならば、
米国株や米国ETFを直接外貨決済で購入するのにかかる様々な面倒な手間をカットして、
「米国株や米国ETFなどの金融商品を購入する方針を取っている、日本の証券会社が提供している投資信託」を買うことで、事実上、その恩恵にあやかるのと似たような戦略かもしれません。
いずれにせよ、
今後の日系企業の姿勢と、給料水準には注目するべきでしょう。