多くの日本人にとって、
普段使用する言語は日本語であり、
それ以外の言語が必要不可欠になる場面というのはそこまで多くはありません。
仕事柄、外国語を使用する人はそうではないかもしれませんが、それでも日常的な場面で用いているのは日本語である場合が多いでしょう。
そのため、ネイティブに比べるとどうしてもコンプレックスを抱きやすい部分はあると思います。
そして、外国語を見るだけでアレルギーのようなものを感じることもあるようです。
ところで、
もう何年も前の話になりますが、
私が働き始めてから1年後ぐらいの頃だったでしょうか、
仕事でベトナム語を扱ったことがあります。
しかし、私は当時ベトナム語が全く分かっていなかったため、
ベトナム語を見た瞬間にかなり焦った記憶があります。
ベトナム語というのは例えば、
Cảm ơn rât nhiều
といった表記をするのですが、
ベトナム語を見たことがない人にとっては
「……?よくわからない」
といった反応になりかねないものです。
しかも、仕事でいきなりこのような文章が長文で書かれていたドキュメントを見たので、
当時ベトナム語がさっぱりわかっていなかった私は一瞬固まった記憶があります。
当時は、
「私、ベトナム語全く分かっていないんだけど、どうしよう……」
と思った記憶があります。
今思い返すと、実は、それはベトナム語が正確に理解できていない人であっても何とかなるタイプの仕事だったため、当時の私にこのような仕事が振られたのでしょう。
しかし、初見の時にはそこまで一瞬ではわからなかったため、かなり焦った記憶があります。
そこで、
「では、どうするか?」
と、数分考えました。
そこで、私は最終的にベトナム語が扱える翻訳業者(ベトナム人)に翻訳をお願いすることにしました。
そのベトナム人は英語が使えたので、英語を使って、コミュニケーションを取りながら、ベトナム語で書かれている文章の翻訳と、日本語の文章をベトナム語へ翻訳してもらうことをお願いした記憶があります。
それによって、特にトラブルなくその仕事は終えることができました。
当時の仕事をやっているときのことを振り返ると、
「英語ができる人ならば、こういう形で、他の言語に関してもコミュニケーションをとることは一応可能なのか」
ということがわかったので、この仕事は私にとってすごく良い経験になったと感じています。
海外に関する仕事をしようとすると、
どうしても、言語の壁を感じてしまいます。
当時の私はまさに、
「ベトナム語が分からないから、この仕事は私にはできない?」
と最初は考えていました。
しかし、実際はそうではなく、工夫次第でうまく仕事を進めることは可能だったのです。
ベトナム語がさっぱりわかっていなかった私がベトナム語の仕事をした
というと違和感がありますが、
実は工夫次第で可能なのですね。
特に、「言語の壁」というのは「非常にハードルが高い」とコンプレックスを感じてしまいやすく、
「私には上手くできない」
といった思い込みが反映されやすい世界です。
しかし、それはただの思い込みにすぎないということです。
そのような固定観念、思い込みから解放されると新しい世界が見えてくるようになります。
ベトナム語がさっぱりわかっていなかった私がベトナム語の仕事をした時のことを今でも時折思い返すと、
そのようなことを改めて感じます。
何かの壁にぶつかった際にも、
すぐに諦めるのではなく、
「では、どうするか?」
と一呼吸おいてみるのも良いかもしれません。
上手くできない、というのはただの思い込みに過ぎないかもしれないのです。