時間管理の観点からは、第2領域である、緊急ではないが、重要なことを行えるための時間を確保することが最重要になると思います。
もっとも、これを行おうとすると普通の人だと邪魔が入りがちです。
それは、手元のスマホのTwitterアイコンやYouTubeアイコンかもしれませんし、はたまた机の上の読みかけの本かもしれません。
また、よくあるのが、勤め先の同僚からの電話です。顧客からの電話かもしれません。
自分である程度しっかりと仕事を片付けたと思っても、このような人たちからの連絡を受けてしまうとせっかく仕事をうまく処理できていたとしても、うまい具合に時間を作ったと思っていたのに集中力がかき乱されます。
そして、ほんの数分で終わると思っていた電話なのに、思いの外長くなったり、あるいは電話が終わった後も仕事のことが気になってしまい、せっかく時間を確保したのにもかかわらず、なんとなくパソコンを開き、仕事を進めてしまうという人もいると思います。
このように心が乱されていると、せっかくうまく仕事を進めていても、第2領域を進めることがままならない状況に置かれてしまいます。
これはつまり、第2領域をすすめるためのまとまった自分のための時間とは、集中力をかき乱されない環境が整って初めて完成するものであるととらえることができます。
かりに、17時ちょうどに帰宅が可能なホワイトな職場であっても、家に帰った後に、様々な誘惑に勝てない状況が放置されていたままでは、集中力が続かず、ホワイトな環境を生かし切れていないという状況になりかねないということでもあります。
したがって、時間管理の観点からは、勤め先の仕事が忙しい人は、
①まず、仕事をさっさと終わらせる方法、まとまった自分のための時間を確保するためのシステムを本気で考えるというステップを踏んだうえで、
②第2領域のための集中できる環境づくりも同時並行で作る
必要があります。
これは、おおよそ①によって、緊急なことである第1領域や第3領域をさっさと片付けてしまった上で、
②によって、第4領域などの侵入を防ぎ、第2領域のための時間を最大限確保するという試みになると思います。
ほとんどの勤め人はまず①をなんとかしないといけない立場に置かれているので、①だけで既に息切れがしそうになりそうですが、①を終わらせたうえで②をやらないといけないというのが地味に大変でしょう。
これが第2領域という言葉は聞いたことがあるものの、ほとんどの人にとってうまく実行することは難しいとよく言われる背景なのかなと考えています。
①をやるのも極めて大変ですが、これと同時に②に値する集中できる環境づくりというのも意識することが重要だと思っています。
具体的な集中できる環境づくりについてですが、これは主に「集中力が乱れる原因を少しずつ丁寧に分析したうえで一つずつ排除する」ということが重要になると思います。
具体的には、スマホに来ているラインの通知が気になり、勉強している最中に集中できないと感じた際に、手元のスマホをいじっていたりとかしていた場合には、「手に届く範囲にスマホが置いてあり、かつ、ラインの通知が見えてしまう、来てしまっているのがわかってしまう状況」が集中力が乱れる原因だと考えられます。
解決策としては、そもそもスマホを目に見えない位置に置くとか、ラインの通知機能は切る、などが考えられます。
集中力が乱れる原因というのは人それぞれ異なるので、画一的な答えはないようなので、自分で試行錯誤しながら、自分を実験体ととらえながら、少しずつ取り組んでいくのがなんだかんだで近道だと考えられます。
このような実験を繰り返す際には、その都度記録を取っておくことが重要になります。
したがって、集中できない原因などをまとめるために日記などを書くのも有効な手ではないかと考えています。
また、集中力という能力に問題意識をそもそも持つためには、「なぜ、いま集中力が途切れてしまっているのか?」と自分自身に問い続けてみると活路が見いだされてくるのではないか、と考えています。