老後という言葉はいつでも私たちに漠然とした不安感を与えます。
資産形成をしていたり、アーリーリタイアを目指していたりしている人であった場合でも、どうしても、「自分は何歳まで生きるのだろうか?」ということを考えながら勘定計算することになります。
そして、もしかしたら、100歳まで生きるかもしれない、だとか、
いや、90歳ぐらいが現実的か?とか、
今の平均寿命を考えたり、途中で病気になる可能性を考えると、80歳半ばぐらいなのかな?
などと考えがちですよね。
老後不安というのは、思うに、「いつまで自分が生きているのかがそもそもわからない」ということから生じることが多いのではないか、と考えています。
DEATH NOTEの死神の目のようにその人の残りの寿命がしっかりと見えているのであれば、逆算思考で色んな計画を立てきることができるのでしょうが、実際にはそれが見えないので困った物です。
そして、人間は本人が思っているよりは長く生きる傾向にあるのではないか、と私は勝手に思っています。
「60歳の頃に、『今からバイオリンを始めるのはもう遅い』と考えていたがいつのまにか90歳になっていた、60歳の時に始めておけば良かった」
と語っている人もいるらしいです。
この人はおそらく、自分は80歳ぐらいにはもう老衰するかも?と思っていたのではないか、と私は勝手に想像しています。
しかし、思っていたよりは長生きしてしまったというパターンでしょう。
このように、思いの外、長生きするという前提で物事を考えておいた方が後々後悔する確率が低いのではないか、と私は考えています。
具体的には、私はもう100歳以上になる、すなわち、あと80年くらいは生きる予定です。
今年が2021年なので、あと80年後には22世紀になります。
すなわち、私の中では、「私は20世紀から22世紀まで生きる人間である」というbeing目標としての観念ができてきています。
3世紀に渡って生きることができるかどうかは現実問題として100歳以上生きるということ以上にタイミングの問題も絡んできます。
例えば、2001年に生まれた人が3世紀に渡って生きることができるかと言われたら今の状況ではかなり難しいでしょう。
2021年現在において、20代(21歳以上)である人はその意味で大いにチャンスがあると考えて良いと思っています。
そして、例によって、男性よりも女性の方が寿命が長い傾向にあるようですので、女性は特にチャンスがあると思っています。
確かに、「20世紀から22世紀まで生きれるとして、で?それがなんなの?」と言われればそれまでですし、実益があるのかと問われると残念ながら正直何も思いつきません。
しかし、20世紀から22世紀までの社会の様子を観察できる立場の人間になることができるという時点で、かなり価値がありそうな気がしています。気のせいかもしれませんが。
そして、100年以上という、それだけの時間が確保できるということは、それだけでより色んな事を学んだり経験したりするチャンスもたくさん生じるということです。
したがって、時間管理の観点からもしっかりとこの寿命という自分の持ち時間を有効活用することができれば、より充実した人生を送ることが可能ではないでしょうか??
「私は何歳まで生きるのだろう」と漠然とした予測を立てて、「老後の金は足りるのかな、どうなんだろうか?」と考えて無用な不安感を抱いてしまうくらいであれば、
もう100歳以上生きる、もうそうなっているのだ、と、もう自分の中で明確に決めてしまって、それを元に人生計画を立ててみるのも良いのではないでしょうか。
もしかしたら、不慮の事故などで急に死亡したりすることはありそうですが、というかよくありそうですが、死亡したら自分の認識や後悔すら知覚できなくなるので、長生きするものと決めてしまった方が少なくとも生きている間の幸福感は確保しやすいのではないか、と考えています。
因みに、100歳以上生きると決めてしまうと私たちが直面する細かい意思決定にも影響が出てきます。
例えば、年金の受給タイミングは、65歳から繰り上げるか繰り下げるか選べるようになっていますが、寿命を決めてしまうともう70歳受給開始した方が良いという話になります。
また、生命保険に対する考え方も少し変わってくるでしょうか。
あと、何歳まで働くのか、というあたりも変わってきます。
この辺りは、自分の寿命を自分の中で決めてしまった方が何もしないよりは判断基準がクリアになるのではないでしょうか。
この観点で少し悩んでいるのが不動産、持ち家の取得タイミングですね。
私は、以前は90歳ぐらいに自分が亡くなるかもしれないということを想定して、60歳頃に持ち家を取得するのが良いかもしれないなどと考えていた頃もありましたが、前提が変わったので、少し考え方を変えても良いと思い始めています。
実際には、持ち家にも取得費用が確実にかかるのでその時までに若い自分が何をするべきなのか、というのも再び計算することになります。
このように、予め寿命を決めてしまうことで、自分のライフプランについてもよりしっかりと考えることが可能になるのではないでしょうか。