「これからの時代は生きる力を身につけなければならない」
といった話はよく聞きますよね。
また、
「変化が激しすぎて何が通用するのか今後はよくわからない」
などと言われるようにもなりました。
でも、なんだかんだで、
「変化と言ってもそこまで急には変わらないのでは???」
「といっても、しばらくは大丈夫では??」
と思うところがあるというのがあなたの本音ではないでしょうか?
実際に、ある日突然世界が変わってしまったとか、世界が終わってしまった、という事態が発生することは稀でしょう。
昔も、ノストラダムスの大予言というものがありましたが、結局当たらなかったですよね?
あれは、ある日突然すべてが終わってしまうという意味では確かに当たってはいなかったかもしれません。
しかし、少しずつではありますが、世界というものは、確実に何かが変化していくものなのです。
そして、いつの間にか、何もかもが変わってしまって取り返しがつかなくなる、というわけですね。
ところで、最近は異世界転生モノと呼ばれるタイプの物語が流行っています。
これは、今まで現代社会にいてどうにもパッとしなかった全く活躍できなかった主人公が突然異世界転生をして、隠された才能を発揮して無双するといったタイプの物語が多いですね。
「俺TUEEEEE」といかにも叫んでそうな内容が多いです。
今の環境に適応できていない人や社会不適合者にとって異世界転生というのは非常に面白いタイプの物語でしょう。
実際に、環境が変わることによってその能力が発揮できる人もいればできない人もいます。
転職した際に、元の職場にいた時にはさほど発揮できなかった能力が発揮できるようになった、という人もいるでしょう。
しかし、実際に異世界転生をしてしまった場合、残念ながら
「俺TUEEEEE」
と無双できる人ばかりではありません。
むしろ、あなたが、特定の勤め先で部長や役員などに順調に出世をしたタイミングで急に異世界転生をしてしまったとして、異世界の住民にどのような扱いをされるでしょうか?
想像してみてください。
異世界の先の環境にもよりますが、今まであなたが勤め先で通用していたスキルや役職についていたがゆえに得られていた優遇は全く受けられなくなる可能性が高いでしょう。
元の世界で持っていたはずの神通力を失ってしまうのです。
もちろん、元の世界でたくさんいた(であろう)あなたの友達や家族や頼りになる仕事仲間は異世界転生後は当然存在しないため、
「お前、誰?」
と雑な扱いを受けることは間違いないでしょう。
また、必死になってあなたが貯金をしていて、何億円もの貯蓄を蓄えていたとしても、
「通貨?その通貨はここでは通用しないよ」
と言われてせっかく資産形成をしたのにそれが異世界では紙くず同然の扱いをされるという危険性もあるのです。
元の世界で不動産を大量所有している地主の場合、そもそも元の世界と切断されてしまうためほぼすべてを事実上失うことになるでしょう。
そういう意味では、単にお金を始めとする金融資産をたくさん保有しているだけのお金持ちというのは異世界転生によって大打撃を受ける可能性があります。
また、もしかしたら北斗の拳の世界のように、知能よりも「ヒャッハー!」な暴力の力が重視される世界に異世界転生する可能性もあります。
その場合は、体を鍛えている強い人が俄然有利になるでしょう。
このように、
あらゆるタイプの異世界転生が突然起こってしまった場合あなたがそこで生き残るためにはどうすればよいのでしょうか?
ということを思考実験として普段から考えておくのが、これからの変化の時代に対する対策の一つになると私は考えています。
ざっくりとした結論としては、
人的資本はともかく、いわゆる、金融資本や、社会資本はゼロになってしまう可能性が高いでしょう。
ゆえに、
ありとあらゆる状況に対応できるポータブルスキルを普段から伸ばしておくことが重要
になると考えられます。
ポータブルスキルはたとえ異世界転生をしなくとも、非定住生活をする人にとってはマストな能力です。
では、具体的にどのようなポータブルスキルが重要になるのだろうか、と考えると、まずは
①習慣化の習慣化
になるでしょう。
習慣化の習慣化は異世界において有利になりそうな行動、すなわち良習慣を積み重ねることを指します。
どのような行動が良習慣と言えるのか、についてはもちろん異世界ごとに個別に判断することになります。
北斗の拳の世界のように、知能よりも「ヒャッハー!」な暴力の力が重視される世界に異世界転生した場合には、体を鍛え上げたり、武器の使用を訓練することが良習慣の有力候補として挙げられるでしょう。
この力を予め身につけておけば、時間はかかれど、あなたが異世界転生をしてしまったとしても、時間がたてばたつほど状況が好転する可能性は高いと考えられます。
次に良習慣の中のレベルですが、重要なのは、システム化習慣の他、
②「観」を鍛えること
になります。
これは、状況解釈力を鍛えることとも言えます。
異世界転生をした場合、あなたの持っていた固定観念のほとんどは通用しません。
むしろ、元の世界で通用していた思い込みを疑うことからすべてのスタートが始まることでしょう。
このような固定観念からの解放に慣れておくことが重要なのです。
次に重要な物としては、やはり、
③新しい人間関係の構築能力
になるでしょう。
社会資本が異世界転生した際にリセットされる可能性があるので一から人間関係を作らなくてはいけない可能性が高いです。
0からの人間関係の構築を行えるようになると生存率が格段に上がります。
もちろん、相手にもメリットがなければあなたが相手にされる可能性は低くなることでしょう。
もっとも、すべての人と仲良くなる必要はなく、必要な人と仲良くなる必要はあるでしょう。
そのあたりの人の見極めとリバランスが重要ですね。
これは、どういうことかというと、例えば、ポケットモンスターの世界にあなたが異世界転生した場合に、始まりの町であるマサラタウンの人たちといつまでも仲良くする必要はないということです。
トキワシティやニビシティに移動していく必要があるため、マサラタウンという村社会の人間関係に固執する必要はないのですね。
最後に強いてあげるならば、
④適正なリスクを取る、投資能力
になるでしょう。
これは、単純に、異世界転生をすると、金融資本がリセットされるため、異世界において通用する通貨によって一から資産形成をしなければいけない可能性があります。
加えて、いわゆる自己投資が必要になる場合もあるので、適正なリスクを取れるようになる、一言で言えば、投資能力が必要になる可能性が高いです。
これを意識しておくと、適正なリスクでリスクテイクできるようになるため、状況が改善するのが早くなる可能性は高いでしょう。
以上のように、あなたが突然異世界転生してしまったとしても、生き残るために必要なポータブルスキルとしては、
①習慣化の習慣化
②「観」を鍛えること
③新しい人間関係の構築能力
④適正なリスクを取る、投資能力
あたりが有力な候補となるでしょう。
これらは、誰かがあなたに天から恵んでくれるものではなく、自らの力で手に入れることができる物でもあります。
近年は、
「AIが台頭してきたらどうすればいいの???どんな社会に変化してしまうの???」
と考えて情報収集をしている人が多いことでしょう。
しかし、そのような限られた条件のみで考察をしても、場当たり的で限定的な知見しか得られない可能性があります。
その中で、
あらゆるタイプの異世界転生が突然起こってしまった場合あなたがそこで生き残るためにはどうすればよいのか?
と思考実験してみるのも面白いのではないでしょうか??