出戻りオファー
という言葉を聞いたことがありますか?
いわゆる出戻りというのは一度退職した人がもう一度同じ企業に勤めることですね。
出戻りの良し悪しについては様々なことが言われます。
「そもそも出戻りは止めた方がいい」
といった意見などもよく見かけますね。
出戻りの際には再度待遇などを記したオファーをもらうことになります。
そして、実はヘッドハンティングされた場合のカウンターオファーよりも出戻りオファーの方が高待遇となる場合が存在するのです。
そもそも、カウンターオファーというのは、
もともとの職場で評価される人を引き留めるために出されるものです。
したがって、カウンターオファーの内容には、その人が退職してしまう時点でのその人に対する職場からの評価が端的に現れるものなのですね。
その時点の印象や評価があるのにもかかわらず、
カウンターオファーよりも出戻りオファーでさらに好待遇を引き寄せる可能性も存在する理由としては、
退職してからの時間が経過したことによる状況の変化
というものが大きく影響します。
これは、例えば、
①ヘッドハンティングで転職した先でさらに貴重な経験を積んでおり、退職者のスキルなどが高くなっている場合
もありますし、
②退職後に、退職した勤め先が深刻な人材不足に陥るなど、緊急で優良な人材を欲している場合
も存在します。
①は退職者自身の事情の変化で、
②は退職した勤め先の事情の変化
と言えるでしょう。
特に、出戻りオファーでカウンターオファー以上の高待遇が出る可能性があるのは②の場合でしょう。
何故ならば、
そもそも採用活動というのは企業にとって負担が重いからです。
もしかしたら、その退職者よりも優秀な人材が市場には存在するかもしれませんが、それを見極めるのは非常に困難ですし、時間がかかります。
人材派遣会社などに高いフィーを支払ってようやく良さそうな人材を獲得できたとしても、
「カルチャーフィットしなかった」
「思ったよりも上手くキャッチアップできなかった」
となってしまう可能性は否定できません。
このようなミスマッチが生じてしまうのは困りますよね。
どうしても不安が残ります。
したがって、退職した人に出戻りオファーを出して戻ってきてもらう方が即戦力になる可能性が高いという意味で安心感がありますし、大抵の場合は退職者に直接連絡を取ることも可能なので、人材派遣会社などに高いフィーを支払う必要性もありません。
その上で、緊急で人手が足りなくて困っている職場の場合は
「できれば早く戻ってきて欲しい」
という気持ちが強くなっているため、
カウンターオファーを超える内容の出戻りオファーを出してくれる可能性が高くなるわけですね。
これは決して狙ってできるものではありませんが、外資系企業などの実力主義の風潮が強い企業ならばよくあるようです。
元の職場で評判の良い人ならば良いタイミングが来たらこのような話が来ることもあるのですね。
冒頭に書いた通り、
「そもそも、出戻りした方がよいのか、わるいのか」
といった問題も生じますが、
待遇以外に不満がない場合には、そのような千載一遇のチャンスを逃さないようにすることが重要でしょう。
運をつかむためには、急がずに、タイミングを虎視眈々と待つことも重要になってきます。
人によっては、
「引き留めでカウンターオファーが出たけれど、期待していたほど待遇が上がらなかった」
と失望してしまった人もいるかもしれませんが、チャンスが訪れるのはすぐ、すなわちカウンターオファーが出た時点ではなく、そこから幾分かの時間が経過した後、ということもあり得るのです。
そして、良い話が来たらすぐに掴めるようにしましょう。