私は、習慣化の習慣化という形で、できる限り、良い行動(doing)を無意識にできるようになればなるほど良い結果がついてくる物と考えています。
しかし、習慣にも一応弱点はあります。
それは、どうしても人力になってしまう、という点です。
良い行動(doing)は積み重ねれば積み重ねられるほど、良いのですが、しかし、当たり前ですが、良い行動(doing)を現実的に行う為には、人力である以上は、自分の時間という資源を使う必要があります。
例えば、誰かに一日一回以上話しかける、という行動の場合、誰かに話しかけるための時間を一日のどこかでなんとか捻出する必要があります。
また、銀行振込の形式で家賃の支払いを行わなくてはいけない場合、月末にまでに振込のための手作業を行う必要があります。このためだけに、作業時間が発生します。
Twitterで毎日何かを呟きたい場合にも、twitterを開いて呟くための作業をする必要があります。これも作業時間が発生します。
また、家計簿を逐一付けている人の場合は、支出があれば、それを記録する必要があります。これも作業時間が発生します。
これらの一つ一つの行動は意識付けすれば、習慣化することは可能です。
しかし、ご存じの方もいると思いますが、家賃の支払いの際に銀行振込の形式で行わないと行けないとしても、今は定額振込設定のサービスがあったりします。
このサービスを用いると、例えば、毎月月末に定額の支払いを特定の口座に対してすることが可能になるため、毎月のようにスケジュール帳に「来月の家賃を振り込もう」などと書き込んだり、そのためのリマインダー設定をする必要すらなくなります。
また、twitterで毎日何かを呟かなくてはいけなくても、今はbotが存在するため、予め設定さえしておけば、定型文であれば、手作業をする必要がなくなります。
また、マネーフォワードなどを使っている人にとってはもはや当たり前ですが、クレジットカードを予め設定さえしておけば、いちいち家計簿に記入することなく、自動的にクレジットカード情報から家計簿を創り出すことも可能です。
このように、最新のテクノロジーやシステムを使用することによって、敢えて習慣化をする必要も無いままに、良い行動(doing)をしたのと同じような結果を得ることができます。
敢えてこのようなシステムを使用しないポリシーを持つという人もいると思いますが、しかし、同じ成果を出すために必要な時間コストが変わるため、システムを使用している人の方が時間の余剰が生まれます。
そして、その時間の余剰が生まれた場合、その時間を用いて新たな活動をすることが可能になります。
何故、これが良いのかというと、良い習慣を身につけただけでは、その一定の良い習慣を時間をかけて行っただけで時間的に一日が終わってしまう可能性もあるところ、同じだけの結果をもたらす行動につきシステム化を進めたら、その分の時間が浮くようになるため、その時間を新たなより良い習慣の習慣化のために投資することが可能になるわけです。
したがって、たとえ現に習慣化した良い習慣があったとしても、可能であればそれをシステム化することはできないものか、自分の時間を使わずに同じ結果を出すことが可能ではないか?と考え続けることそのものも良い習慣ではないか、と思うのです。
わかりにくい表現となってしまいましたが、要は、習慣化の習慣化のうちの一つの営みとして、既にある習慣を習慣のままにするのではなくこれをシステム化することを検討するという思考習慣を取り入れるのが重要ではないか、と私は考えています。
そして、これを仮にシステム化習慣と呼ぶことにしましょう。
このシステム化習慣が身についてしまうと、もはや行動すらしなくても、まるで性能の良い昇りエスカレーターに乗りながらダラダラしている人のように、まるで適当に生きていても、良い人生を歩むことが可能になります。
では、システム化習慣を行う為には何が必要になってくるのか、というのが次に問題になってきます。
上記の、家賃の振り込みやtwitterのつぶやきや家計簿の例を見ていただければ分かるとおり、これらはすべて「もともとすべて手作業で行われるのが前提だったところ、テクノロジーの発展や新しいシステム開発や新しい商品の開発によってシステム化が可能になった」パターンです。
したがって、システム化を行うためにはそもそもそれが可能になっている土台がないとシステム化できません。
そのため、常に最新情報はどうなっているのか、とアンテナを張り続けることが重要になってくるでしょう。
私の友達でも最近までマネーフォワードの存在すら知らなかった人もいるようですから、如何にそのような情報を早くゲットできるのか、というのが鍵になってきます。
そして、そのアンテナを張るために重要なのは、まず、そういうことに関して情報発信をしている人のアカウントなどをフォローしておくことなどになるのでしょう。
最近は、twitterやyoutuberがそれ専用のアカウントを作成して運用しているところもあるようなので、それを追っていけると楽だと思います。
次に、有効なのは、やはり常に、一種の思考習慣として、日常的に行っている行動に対して、「自分の時間を使わずに同じ結果を出すことが実は可能なのではないか?」と常に考え続けることでしょう。
私の場合は、たまに、「この作業は人間がするべき作業ではないのではないか?」と感じることがあり、その度に何か良い代替手段が既に存在していないかググってみたりすることも多いです。
このような思考習慣がそもそもどうやったら身につくのか?と思う人もいるかもしれませんが、これはやはり有限な時間をしっかりと有効活用したいという強い意思から生まれてくる物だと思います。
適当に生きているとどうしても自分自身がいつまでも若くて健康が保たれている時間が永遠に続くような気もしてしまいますが、残念ながら、実際にはそうではないわけです。
そう考えると、「できることならば、ルーティーンでやらなくてはいけないことは時間をかけずにできるようになった方が良い」という話になります。
ルーティーンでやらなくてはいけないことと言うと色々あるかもしれません。それは例えば歯磨きなどから始まります。
私自身は歯磨きが面倒だと思っているタイプでもあるので、正直寝ている間に歯磨きができるようなアイテムが早く出てくれば良いのにとか思っています。
歯磨きをするときはどうしても片手が使えなくなってしまいますし、寝ながら歯磨きする方法は現状無いようなので、疲れたときに億劫になりますし、普通に時間を取られやすいという弱点があると思っています。
早くこの辺りを改善するような商品が出てきてくれないかなと思っています。
他の例で行くと、ドラム式洗濯機なども確かに便利なのですが、自分で洗濯物を洗濯機の中に入れてスイッチを押すという作業はやらないといけないので、これはどうにかならないものか、特に意識しなくても全部いつの間にか洗濯してもらえるようなサービスを安価に活用できるようになって欲しい、と考えています。
他にも、髪の毛を乾かす時間等もそうです。美容室では雑誌を読みながら美容師さんが後ろで勝手に乾かしてくれるのでありがたいのですが、自宅では同じようなことはまだできません。これも早く自分の手を煩わせることなく安価にできるようにならないだろうか、と考えています。
これらは歯磨きを除いて、例えば家政婦のような立場の人に丸投げするという方法は一応あるのですが、できることならば、テクノロジーの発展や安価なサービスの提供によって解決したいところです。
普段から他人の時間を上手く使うように意識するのがよいとか言っているくせに何故家政婦はダメなのかと思うかもしれませんが、基本的に私はプライバシー性を非常に大事にしており、一人の時間が無いとストレスが溜まりやすいため、他人と同じ空間に存在する時間を可能ならば最小限にする必要があると考えています。
したがって、そのような意味でもテクノロジーの発展や安価なサービスの提供、新しい商品によってシステム化を進める必要があると考えています。
このように、普段から色々と考えていくと、企業に対しても改善要望などが出しやすくなり、企業側も顧客の意見を見て新しい商品やサービスを提供するよう努力してくれるようになるため、このような改善要望を出すためにも普段からシステム化ができないのだろうかと考え続けることが重要になるでしょう。
場合によっては、企業に頼り続けるのではなく、自分で問題解決をするために商品を開発してしまうということもあり得る路線です。
それが実現できたら、新しい商品の開発者として、知的財産権を取得しに行くことも可能かもしれませんね。
このように、システム化習慣は、普段からの問題意識の強さによって生まれてくる思考習慣という側面もあります。
一般論ですが、単純な行動習慣よりも思考習慣の方が習慣化の難易度が高いと言われるので、これをシステム化習慣を習慣化するためにはそれなりに時間はかかると思います。
しかし、これは有限な自分の人生の時間をどう活用するのか、という大問題を意識することができれば自ずと、習慣化の習慣化の一種として行うべき習慣であるということが分かると思うので、自分の人生はかくあるべきか?という深い問いから考えることがやはり重要になると言うことでしょう。
習慣化の習慣化の中でも重要な位置づけであるシステム化習慣を徐々に身につけて人生の盤石な基盤、すなわち、性能の良い昇りエスカレーターを創りたいですね。