普段意識することはないかもしれませんが、私たちの部屋には「過去」が眠っています。
あなたも自分の部屋を見渡してみてください。
極度のミニマリストを除けば、あなたの部屋の中には何か物が存在しているはずです。
その物はあなたにとっての「過去」であることでしょう。
というのも、あなたの部屋に存在する物というのは、
あなたがどこかのタイミングでなんらかの理由で部屋に搬入した物
である可能性が高いからです。
家族が勝手に部屋に物を置いてきた、というパターンもあるかもしれませんが、
その場合でも、
その物がそこにとどまることをあなたによって許されているという経緯があることでしょう。
すなわち、あなたの部屋にある物というのは、多くの場合、あなたが過去において行った判断の結果そこに存在しているのです。
部屋の中にある物はそういう意味ではあなたにとって「過去」の存在であります。
部屋にあるものはそれが入ってきた経緯や自分がそれを受け入れた理由が反映されています。
物の存在にはそれぞれのストーリーや思い出が紐づいているかもしれません。
例えば、このようなあなたの部屋にある物の片付けを通じて、過去の選択や考えに対して再評価し、現在の自分にとって本当に大切なものや必要なものを見極めることができます。
このような、物の整理は同時に内面の整理にも繋がり、心地よい空間が新たな始まりを促す手段となるでしょう。
そういう意味では、例えば、あなたが部屋の物を片付けるという行為を行う場合、それは同時に過去に対する精算を行っているとも言えるでしょう。
片付けは物理的な整理だけでなく、過去に対する精算や整理を行うプロセスでもあります。
過去の経験や出来事に対峙し、必要なものを保持し、不要なものを手放すことで、過去から学びつつも未来に向けて進む準備が整います。
物事を整理することで心も軽くなり、新たなエネルギーやクリエイティビティが生まれることがあります。
片付けは、あなた自身がその過去を受け入れつつ、進むべき未来に焦点を当てる行為であり、これによって、より充実した日々が築かれるかもしれません。
普段はなんとなく幼少期からの躾などの影響によって、
「片付けはできる限りしっかりとやった方がいいかもしれない」
と漠然と思うかもしれませんがその意義は想像以上に深い物があるかもしれません。
片付けを習慣にしている人というのは、
「過去に対する精算」
をその都度しており、
その頻度が高ければ高いほど、
対象となる過去という期間の長さも短くなっていきます。
こうして、
「過去に対する精算」
を高い頻度で行うたびに、未来へ向かう準備を進めていくのです。
あなたの部屋にはあなたの「過去」がたくさん眠っています。
その事実に気づくことができるようになると、
「どのような過去と決別するべきか」
「今後も付き合っていきそうな過去は何か?」
という抽象的なことも考えられるようになります。
片付けという行為を一つとっても、抽象的に考えると、なかなか壮大なことをしているのですね。