「日本人は自分の勤めている会社を嫌っている」
とよく言われることがありますね。
ごくごく一部の人を除いて、多くの人が会社員として、勤め人として、どこかの会社に属しているわけですが、
その属している勤め先に対してあまりいい気持ちではない、不満がある、という人が結構いるようです。
その不満の内容というのは様々あるでしょう。十人十色です。
例えば、
「給与が低すぎる」
「福利厚生が微妙」
「仕事の内容がとにかくつまらない」「やりがいがない」
「上司に変な人がいて不快」
「部下に言うことを聞いてくれる人がいなくて困る」
「自分に対する評価のされ方が正当ではないと感じる」
などが代表的な不満でしょうか。
このような不満に関して、
転職する
すなわち、勤め先を変更するという方法によって、一部の不満は解消される例はあります。
しかし、何回か勤め先を変えた経験がある人ならば、
「結局、どの勤め先であっても多かれ少なかれ一定の不満はあるかもしれない」
「自分にとっての、完璧な勤め先は存在しないかもしれない」
と感じている部分でもあります。
その中には、
「結局、起業するなり、独立・開業するのが早い」
と感じて実行に移している人もいます。
この方法ならばすべての責任は自分に降りかかってくるわけですが、上手くいけばもっとも満足できる選択肢になる可能性があります。
とはいえ、多くの人は、起業などに対して、
「さすがにそこまでできる気がしない」
「無理」
と感じることも多いでしょう。
そのような人であっても、
「勤め先に依存している人ほど勤め先への不満が募りやすい」
という視点を持っていると少しは気が楽になるかもしれません。
というのも、
「勤め先が嫌い」
と不満を感じている人の多くは、不満を感じている一方で勤め先に強く依存しているという状態にあるのです。
例えば、
「給与が低いが、人間関係が良好で、やりがいもあって、時間の裁量もあって、労働の強度もきつくない」
という職場があったとして、たとえ、「給与が低い」という欠点が気になったとしても、
「自分自身で副業をしているから、給与とは別に収入源がある」
という人であれば、「給与が低い」という欠点に対して強い不満を感じることはおそらくあまりないでしょう。
これは、
その勤め先に完全に人生を預けたり、依存することなく、足りていない部分や欠点となっている部分を自分自身の工夫で解決できているからですね。
実は、このように、一つの勤め先に対する依存度が低い人であれば、同じ場所で働いている人と同じような欠点が気になったとしても、相対的に不満を感じにくいのです。
客観的に見て、同じ場所にいるはずなのに、実は人によって同じ事実に対する捉え方が異なる、ということはよくあります。
「勤め先に依存している人ほど勤め先への不満が募りやすい」
このような視点を一度持ってみると、
「今からでも、工夫できることがあるのではないか?」
と自分自身に問いかけるきっかけとなるでしょう。