様々な人の意思決定を見ていると、
「抱えている不安が強ければ強いほど、より確実な物が欲しくなり、結果不利な取引をしてしまう」
という人は少なからずいるようです。
例えば、やたらと多くの保険に加入している人の中には、
「もし何かあれば不安だから」
という理由で、高い保険料を払っている人もいます。
しかし、その高い保険料が功をなすのは実際に不幸が起こってからである一方で、普段から高い保険料を支払っているがゆえに、手元にお金が全然残らずに、さらにお金に対する不安、将来に対する不安が募っていき、さらに確実な、安全と思われる手段にしか目を向けられなくなる、という状況から抜け出しにくくなっていく傾向にあるようです。
もし、何事もなく、人生を終えたいのであれば、このような
「確実と思われる選択肢」
「安全・安心を約束してくれる選択肢」
を積極的に選んでいくことになるでしょう。
それもまた、一つの生き方であります。
しかし、このような選択肢は人気も高く、ゆえに、不利な条件で取引をせざるを得なくなる場合も多いです。
例えば、終身雇用が手厚く保障されているような勤め先は、働く側からすると一見ありがたい存在ですが、
「その代わり、基本給が抑えられている」
「10年や20年近く働かないとまともに給与が上がらない」
「転勤や異動に不満があっても口に出せない」
「配属先の人間関係を良好に保っておかなければならない」
などといったデメリット・不都合な部分も受け入れる必要があります。
社会に出ていて、世間的には「自立している」と称されるような状況であっても、場合によっては、
「結局、村社会のようなところから抜け出せなくなっている」
「一つの勤め先、コミュニティーに依存している」
という人は結構います。
「抱えている不安が強ければ強いほど、より確実な物が欲しくなり、結果不利な取引をしてしまう」
という状況から抜け出すことはかなり大変です。
根本的にある
「不安」
を解消することができなければ、リスクを取って自分の人生を変えるきっかけを掴むのは困難となります。
あらゆる成功はリスクの先にあるため、もし何かしらの成功を望むのであれば、
「少しぐらいならばリスクを取っても構わない」
という状況、すなわち、少しずつリスク許容度を高めることから始めることが重要でしょう。
リスクを取る、何かしらの投資を行うためには、「余剰」を確保する必要があります。
「余剰」を確保できるようになってくると、
「そこまで保険を掛ける必要がない」
ということにも気づくことができるようになってきます。
そして、不要な保険も段々と整理できるようになってくるでしょう。
そうすると、保険料を支払う必要がなくなり、さらに「余剰」が生まれ、投資余力が出てくる、といった好循環が生まれます。
このような好循環のサイクルに如何に入るのか、ということが重要になるのです。