就活などで
「あなたには挫折経験がありますか?」
と聞かれることがありませんか?
この質問における趣旨はこの質問を発する質問者にもよりますので一概には言えないところもありますが、
「うまく物事が進まない時にどのような反応をする人なのか」
とか
「苦境をどのように乗り越えようとする人なのか」
といった点を見ていることが多いようです。
しかし、よくよく考えると、
「そもそも挫折とかなんだろうか」
という疑問が生じます。
というのも、例えば、
「将来の夢は小説家になることです」
と小学生の頃に語っていた人が、何かしらの賞などを狙っていたのに通らなかった、なかなかうまくいかないといった事象が生じている場合、
賞に通らない、うまくいかない、失敗している
といった評価をすることは可能ですが、その事実だけでその人が挫折をしていると評価することは難しいと考えられます。
もしかしたら、その人が夢を全く諦めておらず40年後に再度賞に挑戦する可能性もあるので、その場合には、
「小学生の頃には賞に通らなかったという失敗の経験がある」
というだけで、その人が20歳の時点で
小説家になるという夢を挫折した
という話になるとは限らないわけですね。
このように長いスパンをかけてもおかしくない物事の場合、
「失敗はたくさんあってもまだ挫折はしていない」
という状態がずっと続くということは十分にあり得るのです。
むしろ、
失敗をし続けることによって、学び続けているため今は成功に向かっている途中である、
ということすら可能です。
もっとわかりやすい例だと、
「1億円を貯金する!」
という目標を立てたとして、
20歳の頃には達成できなかった
30歳の頃には達成できなかった
40歳の頃には達成できなかった
ということが長い間続いたとしても、
1円でも貯金をし続ければ、寿命に限りがあるとは言え、挫折することなく目標に向かっていると言えます。
挫折をしているとかしていないというのはそういう意味では短い時間軸の中では主観的には判断し難いと言えるでしょう。
「失敗はしているが挫折はしていない」という状態は成功へのプロセスとして多くの場合不可欠なものなのです。
一度長い時間軸を設定してみて全体を俯瞰してみることも良いでしょう。