ネットで不労所得と入れて検索をかけると夢のある話がたくさん出てきます。
これはおそらく不労所得と言う言葉による影響なのかもしれませんが、あたかも労働することなしに収入を得ることができるかのように見えます。
しかし私の見解としては、世の中で言われている不労所得のほとんどは、タイミングが異なるだけでどこかのタイミングで労働はしなければいけないものであることには変わりがないと考えています。
例外があるとすれば、相続によって大量の配当金をもたらしてくれる株式を手に入れることができた時ぐらいでしょうか。
配当金を得るためには、通常大金が必要になるのであり、そのためには高い収入あるいはある程度長期間の労働期間が必要になることがほとんどです。
ネット上で見かける若くして、アーリーリタイヤをしている人のほとんどは高所得者です。
また株で成功していると言う人もいますが、株をトレードするためにはもちろん莫大な時間を要するので、そういう意味でもしっかり労働をしています。
期間が長いか短いかといった問題でしかありません。
そして、一般的に高い収入を得るためには、高い収入を得ている瞬間のみ労働をしているわけではないと考えられます。
厳密には高い収入を得るための準備、具体的には、自らの能力を証明するための高学歴、難関資格等の合格のために要する勉強時間なども、労力がかかっていると言う意味では、労働と似たようなものです。
医者などに対して高収入でいいねなどと言う人がたまにいますが、そもそも医者になるためには少なくとも医学部を突破しなければならないのです。
当然そのためには、長い勉強時間と労力が必要になります。
またたまにネットビジネスで大成功して若いうちに大金を手にしていると言う人もいます。
しかしこのネットビジネスで大成功するためにも莫大な準備期間のための時間が必要になることが多いです。
この期間の位置づけは間違いなく労働です。
そして仮に大金を手に入れたとしても、それを何のために使うのか、具体的にはどの銘柄の株式を買って配当金を得るのかということを考える必要があります。
この過程でミスがあると不労所得を手に入れることができません。
そう考えますと、大金を手に入れたとしてもさらに適切な投資対象は何かと言うことを調べて勉強するための労力も必要になります。
このように一言で不労所得といっても、その内実としては、これを得るために必要な金などに代表されるリソースを手に入れるための労力の導入や、必要な金を適切な投資対象に投資するために必要な知識を仕入れたり勉強したりする時間が必要になります。
結果的に不労所得を手に入れている最中には労働しているように見えないだけであって、明らかにその前の段階で莫大な労働力等を投入しなければならないと言うことを示していると思います。
不労所得は人によってはこれを高度な知的労働と呼んでいるようです。
これはおそらくその通りで、手元にあるリソースを適切な投資対象に投資をすると言う判断はそれ自体は一瞬のものですが、これはすなわち一瞬の判断に対する高度な知的労働であり、それまでの経験や勉強がなければ成し得ないものです。
結局何をするにも、勉強と労力を通さなければいけないと言う現実は変わらないのです。
では不労所得を得ることを目指すのは意味が無いかといいますとそのような事はないと思います。
ポイントは不労所得を得るタイミングでは労働が必要ないと言うことです。
これはすなわち不労所得を得ているタイミングでは労働が必要ないと言うことであって、同じタイミングで別の大事なことに労働を投じることが可能になると言うことを意味しています。
これはシンプルですが、とんでもないアドバンテージです。
これによってさらに、別の不労所得に労働を始めとした自分自身のリソースを投入するという判断をするのか、それ以外のところに投入するという判断をするのかということに判断が大きく分かれると思われます。
仮に不労所得を手に入れたとしても、人生はその後も続いていく可能性が高いので、その後で一体何をするべきなのかということを常に意識しながら生きていく必要があるのかなと改めて感じています。