近年よく言われているのは、
「年収1000万円プレイヤーの価値が暴落している」
ということです。
これはどういう意味かというと、数十年前のいわゆる年収1000万円プレイヤーと現在における年収1000万円プレイヤーを比較しており、
ここ数十年の間に、額面年収1000万円の人の手取りは実は数十万円以上下がっているということや
そもそも、不動産を始めとした物価も徐々に上がっていることから手元に残っているお金の価値が事実上下がってしまっていて、買いたい物が買えないという状況に陥っていると言うことです。
あとは、消費税とかもありますね。どんどん増税されています。これからも増税されるでしょう。
アメリカなどに至っては日本円換算で年収1000万円ではまともに生活ができないと言われている始末です。
それでもなお、日本においては「年収1000万円プレイヤー」という言葉が好まれて使われているようです。
これはやはり、1000万円というキリのいい数字が目を引くのでしょう。
そして、年収900万円よりは年収1000万円の方がいいよね、という1種の序列、学校における偏差値のような見方をする人もいます。
また、この前見かけた結婚相談所の広告においてリンク先を確認すると「年収300万円未満の男性は登録が事実上不可」という仕組みを取っているところもありました。
どうやらその人の額面年収によって事実上の足きりをしているようです。
婚活市場においても主に女性側からの要望として「年収○○万円以上ある人がいいよね」ということが言われているようです。
一昔前には、「三高」と呼ばれ、高身長、高学歴、高収入の人が好まれたらしいです。
序列が好きですね。
おそらく彼らは序列が高い人から選ばれる自分を誇りたいのでしょうね。
また、家を買いたいと言って銀行などに住宅ローンの申請をする際にも自分の額面年収を見せてアピールしますよね。
この場合、今はたまたま勤め先における仕事が多くて残業代がかさんでいるだけだったと言った細かい事情はそれほど考慮されずにまずは額面年収から見られます。
これらにおいてはすべて額面年収を参考にしているようなんですね。
あと、主に男子学生が多いようですが、上記のような現実的な状況を見て、やはり彼らは自分の序列が気になってしまうのか、頑張ってなるべく年収が高めの勤め先に就職を決めたいと考える傾向があるようです。
そして、彼らを見ていると周りの人たちと「○○先輩は1年目から年収1000万円以上のところに就職が決まっている」などといった噂話に花を咲かせていた記憶があります。
彼らの中には額面年収には興味があるものの、手取りがどのくらいになってしまうのかまではさほど興味が無い人も結構います。
また、額面年収が高ければどんなにブラック企業だという噂が立っているようなところでもかまわないと言う人もいます。
何故ならば、上記のように額面年収というただの数字だけを見て自分に対して社会的評価を付けてくるような人たちが身近にいっぱい居るためなんですね。
彼らとしても自分の社会的評価が低くなってしまって社会生活において不利になってしまう状況は避けたいようです。
もちろん、副業などもしていない普通の勤め人の場合には、勤め先からもらえる給与の額面年収が高ければ高いほど手取り年収もそれに伴って増える傾向にはあるわけですが、
副業などもやっている人は分かっているとおり、額面年収がさほど高くなくても可処分所得などを始めとして事実上豊かになる方法は実はあるんですよね。
それでも、多大な犠牲を払ってでも額面年収を追い求めたくなる人が存在するのは上記のように額面年収というただの数字だけしか見ることなく他人を評価しようとする人たちがいるからなのかもしれません。
逆に言えば、彼らからの評価が一切不要な状況になってしまえば、額面年収を用いた他人へのアピールというのは最悪必要ありません。
または、額面年収というわかりやすい数字以外の方法によって簡単に他人にアピールをする技を別途身につけられるようになると、額面年収を高める優先順位は下がります。
額面年収というのは数字によってわかりやすい魅力を端的に出しているに過ぎないわけです。
見た目が良くなるという意味でこれは非常に便利なのですが、
しかし、必要が無い人にとっては必要がないものですし、額面年収を高める努力をしてもコスパが悪くなってしまうという人もいると思います。
額面年収という数字は便利ですが、それを追い求めて本当に自分が豊かになるのかをきちんと考えて良い付き合い方をしていきたいものです。