就活などで自分をアピールしている人は大変だと思います。
というのも、もともと高学歴な人と比べて自分をアピールするのに非常に苦労するのです。
↑のようなことをわざわざ考えて頑張って対策をしなくてはいけない人も多いでしょう。
正直面倒ですね。
「なんで、学歴フィルターなんてものがあるんだ。正直やめてほしい。」
などと思った人も相当数いるでしょう。
逆にもともと高学歴な人というのは、
「いや、こういうときに簡単に有利になるために、今まで時間をかけて頑張ってきたんだ」
と思っていたりするでしょう。
たまに、別に勉強しなくてもいつのまにか、気づいたら高学歴になってしまう人もいるのですが、現実問題としては、小さい頃から相当な量の時間をかけないと学歴などは作れません。
それでも、そこまでの労力と時間をかけてまで学歴や経歴を作る意味としては、
相手に伝えられるデータ量が最小限でも、それでいて最大限の効果を得られるから
でしょう。
これは、見た目が良ければコミュニケーションコストが下がるという話をしています。
具体的には、
開成→東大→財務省
という文字列を思い浮かべてみます。
一般的には
「割とすごそう、頭がよさそう」
と思われる内容ではないでしょうか。
因みに、数えてみればすぐに分かることですが、この文字列は矢印も含めて全角文字で9文字で構成されています。
そして、全角文字というのは、2バイト文字とも呼ばれ、2バイトのデータ量を持っています。
2バイト文字とは・・・・・・
文字コードの種類を問わず、2バイト(16ビット)のデータで表すことができる文字です。一般には「全角文字」の名称で知られます。日本語では、ひらがな、カタカナ、漢字などの6万5536文字です。アルファベットや数字は、1バイトで表すものと2バイトで表すものとがあります。
⇨1バイト文字、全角文字、バイト、
ビット、文字コード
https://kotobank.jp/word/2%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%96%87%E5%AD%97-6930
したがって、 開成→東大→財務省 のように、 全角文字で9文字で構成されている場合、この経歴は18バイトのデータ量で表現できます。
よって、この18バイトのデータ量を相手に送りつける機会にさえ恵まれれば、 「割とすごそう、頭がよさそう」 というイメージを相手に与えることが可能です。
これは、18バイトのデータ量を相手に送りつける機会にもし恵まれなかった場合には上記のような効用が期待できないということでもあります。
すなわち、就活の際には書類審査の場面でほぼ必ず書かされる経歴欄さえ相手に見せつければこのアピールが完了するわけですが、
しかし、普段の生活の中でこの学歴・経歴データを相手に送りつける機会というのは意外と多くはありません。
例えば、その辺の道を歩いていると、反対方向から見知らぬ人が来るかもしれません。
なんとなくその人とすれ違うことはあるかもしれませんが、それでも、その人の学歴や経歴は全く伝わってきません。
相手の学歴や経歴のデータ、情報がこちら側に全く伝わってこないためです。
確実に伝わってくるのはその人の見た目・容姿です。
偶に適当にその辺の道を歩いていて、すれ違った全く知らない人たち(2,3人の集団)から、「今の子可愛い」とか言われたり、「今の人イケメンだった」と言われる人もいるわけです。
言われたことがある人は、そうね、と思うことでしょう。
容姿の場合は、特に本人がアピールしようとしなくても相手にデータが伝わる機会が多かったりするので、いつのまにか、勝手に相手に魅力が伝わっており、この点敢えてアピールする必要すら無いという状況を事前に創ることができるのがかなりずるい点です。
しかし、その弱点としては
「容姿のデータ量は文字のデータ量に比べてかなり多い」
という点にあるでしょう。
例えば、容姿を画像データで表現することを想定してみましょう。
まず、そもそも画像データについてですが、そのデータ量について以下のサイトを見ると、比較的小さな画像サイズであってもかなりの量になることが分かります。
画素数 | ピクセル数 | 容量(バイト数) |
1670万画素 | 4992×3328 | 約5.5MB |
1280万画素 | 4368×2912 | 約4.6MB |
1010万画素 | 3648×2736 | 約4.2MB |
800万画素 | 3456×2304 | 約3.6MB |
700万画素 | 3072×2304 | 約3.3MB |
600万画素 | 2816×2112 | 約3.0MB |
500万画素 | 2560×1920 | 約2.7MB |
400万画素 | 2304×1728 | 約2.0MB |
300万画素 | 2048×1536 | 約1.7MB |
200万画素 | 1600×1200 | 約1.2MB |
120万画素 | 1280× 960 | 約0.7MB |
80万画素 | 1024×768 | 約0.5MB |
30万画素 | 640× 480 | 約0.3MB |
飽くまでも目安の数字になってしまいますが、それなりの量です。
例えば、就活の際には顔写真をまずは貼り付けることが日本の場合では多いようですが、顔写真の範囲だけ見ても結構な大きさになります。
その上で、肉眼で見たとおりの容姿の情報を見たいと考えた場合は、解像度の問題も出てきます。
解像度はざっくりといえば「どれだけなめらかで、きめ細やかな画像になるか」の問題であり、以下のサイトにも解説がありました。
今はテレビモニターなどでは4Kが当たり前だった記憶です。
このように見ていくと、普段何気なく、リアルで、対面で会ったりするだけで、相当な量の容姿などのデータ量を毎回相手に送りつけていることになります。
しかし、学歴・経歴についてはどこかで意識的に発信をしないとそれは相手に伝わりません。
偶に、就活ネタで、いきなり講演会の最後に質問者の大学生があたかも質問をする振りをして自分の学歴の説明をして自己アピールしまくるというネタがあったりしますが、何とかしてデータを送りつける機会を見つけて、ああいうことをしないとなかなか他人に自分の学歴が伝わらないということでもあるのでしょう。
そのようなデータを相手に送りつける機会にさえ恵まれれば、学歴や経歴はかなり少量のデータ量で相手にアピールすることができるという点が最高に素晴らしいという話です。
昔は、通信のインフラがそこまで発達していなかったので、対面で会えない場合は、少ないデータ量しか遠隔地に届けることが難しかったと考えられます。
2002年時点、すなわち今から約20年前の時点では、「iモードメールサービスにおいて、端末を問わず最大2000文字までのメールを分割受信する機能」があったそうです↓
2021年の時点から見ると、メールで2000文字しか送れないのはあまりにも少ないとしか言い様がないのですが、
これは、20年ぐらい時が過ぎる間にかなりの大量のデータ量をインターネットを通じて送ることができるようになってきたということでもあるのでしょう。
そして、これからは5Gの時代とも言われているわけで、ますますインターネットを通じたデータの流通量は格段に増えることでしょう。
そうなっていくと、世の中はどうなっていくのか、と考えることが重要ではないかと私は考えています。
例えば、コロナ禍でリモートワークがもてはやされてから、オンライン会議が流行るようになりましたが、あれで十分だと考えている人と、やっぱり対面じゃないとダメ、と考えている人もいます。
「オンライン会議でもう十分だろう」と考えている人はオンライン会議を通じて得られているデータさえ得られれば後は何も要らないと考えているわけです。
逆に、「オンライン会議では不十分で、やっぱり対面の方が良い」と考えている人はオンライン会議を通じて得られているデータでは不十分だと考えており、もっと欲しいと考えているわけです。
現状(2021年時点)では、対面であったときの方がオンラインで会ったときよりも通信できるデータ量は確実に多いので、このようなデータ要求度に応じた主張の乖離が発生しているのだと思われます。
今後は、ネットを通じたデータの流通量はますます増える、拡大していくと考えられるので、現状の機能のみでオンライン会議に完全に評価を付けることはこの視点からだと難しいのではないかなと感じます。
話がそれてしまいましたが、このようにインターネットを通じたデータの流通量が絶対的にここ数年で増えてきているし、これからもどんどん増えていくだろうという予測で色んな物事を考えていくのが今後重要になってくるのではないでしょうか?
例えば、就活の話に戻ると、最近は「Twitterを通じて就職が決まった」という話が出てきています。
すなわち、Twitterで普段から発信している内容を企業側に見てもらうことができたことで、その内容に魅力を感じてもらえたが故に就職のオファーが来ている人がいるのです。
このような人は容姿を晒す必要もないですし、学歴を殊更にアピールする必要もありません。
そのようなわかりやすい魅力がなかったとしても、他の方法で自分をアピールできているためです。
実質的な実力をアピールするためにはすべての投稿を読んでもらう必要があるでしょうから、それはそれで大変ですが、これは、容姿・学歴などのわかりやすい魅力が無い人は基本的にコミュニケーションの量で頑張る必要があるということです。
そして、Twitterのように、一度投稿すれば、時間と場所を越えて多数の人間にアピールすることができる装置を使用して、レバレッジをかけることが可能になるわけです。
普通にアピールしようとすると、相手の時間と自分の時間の都合を合わせて、同じ場所にわざわざ集まって、その都度頑張って説明するという非常にコストのかかることをする必要があります。
そんな大変なことをするくらいならば、端的に、
「 開成→東大→財務省 」
と短い呪文を唱えた方が明らかに早かったわけですし、それを唱えられるような準備(受験勉強など)に時間をかけた方が結果的に長い目で見て時間がかからない、コスパが良かった、というわけです。
しかし、インターネットを通じて非同期型コミュニケーションの一環として大量の自分に関するデータを多数の人に見てもらえるようになる場合そちらの方を例えばブログなどの形で普段からコツコツと積み上げていった方がもしかしたら結果から見てコスパがいいのではないか、私はそう考えています。
そのような想定も踏まえて、パーソナルデータも少しずつ収集することを最近は意識しています。
因みに、 「 開成→東大→財務省 」 というのはこのニュースを見て思いつきました↓
このようなニュースのように、「読む時間が無いから短い文章で端的に伝えて欲しい」という要望がある場合は、
「 開成→東大→財務省 」 と書いてくれていた方がわかりやすいので、インターネットが発達してデータの流通量が格段に増えていったところで、18バイトで経歴を表現できるという強みは健在で失われることはないと思われます。
しかし、そのようなものを持っていない人であってもチャンスはある、活路を見いだすことは可能であるということを今回通じて言いたかったのです。