特に地方出身者の若者にとって、
年末年始の帰省
というのは、毎年の恒例行事となっているかもしれません。
しかし、個人的には、
「年末年始にわざわざ田舎にまで帰省をする必要って本当にあるのだろうか?」
と疑問を感じています。
最近も、
「田舎の両親の住む実家に帰った子供が地震で生き埋めとなって死亡」
という話を耳にしました。
これは、年末年始で帰省をしたばかりに災害に巻き込まれてしまったパターンです。
いつ地震に巻き込まれるのかは現在の技術では正確には予測できないようなので、能登半島で起こった地震については、本当にたまたま不運なことが起こってしまった、という風に考えることもできるのですが、
「そもそも、地震があったら倒壊してしまう家、耐震性能が低い家、津波に巻き込まれてしまいやすい家、火災の影響を受けやすい家、に住んでいる両親に会いに行くためだけに年末年始の帰省をする必要があるのか?」
ということも改めて考えた方がいいかもしれない、と感じます。
そもそも、帰省をする主目的は、
「対面で両親に会うため、親戚に会うため」
や
「同じように年末年始に帰省している旧友に会うため」
など
と思われますが、
では、年末年始に、田舎にわざわざ戻ってまで上記の目的を果たす必要があるのか?という疑問があります。
一昔前は、
「年末年始という画一のタイミングでバラバラになっている親戚が田舎の実家という一か所に集まって対面でコミュニケーションをとる」
ということが極めて重要だったかもしれません。
しかし、最近では、
少子化、
核家族化
などが進むにつれて、
「そもそも親戚と呼べる人間の数自体がどんどん減ってきている」
という事情の変化もあるのではないでしょうか?
例えば、
田舎の実家にいる両親2人と都会で働いている子供が1人
というパターンの家族構成があった場合、
年末年始に田舎に帰省する必要は本当にあるのでしょうか?
両親と子供が対面で会いたいのであれば、両親の方が都会に移動するという方法もあり得るのではないか、と感じるのです。
しかも、タイミングの問題として、年末年始に拘るべき理由も本当にあるのでしょうか。
春や秋は難しいのでしょうか。
もちろん、
「両親は足腰があまり良くないので、健康体である子供の方が移動した方が良い」
「子供が住んでいる都会の部屋はあまりにも狭すぎて親に来てもらうことは宿泊のことも考慮すると現実的には難しい」
といった事情がある場合もあることでしょう。
それぞれの家庭において、様々な事情がある中で、結果的に、
子供の方が年末年始に田舎に帰省する
という行動につながっているのかもしれません。
しかし、その帰省先が、
地震があったら倒壊してしまう家、
耐震性能が低い家、
津波に巻き込まれてしまいやすい家、
火災の影響を受けやすい家、
であった場合、やはり、地震などの災害の影響を強く受けることでしょう。
今回の能登半島の地震により、実家が全壊してしまったことをきっかけに、能登半島から金沢へ両親ごと移転をすることを決断した家庭もあるようです。
確かに、交通が遮断されやすく、物流も滞ってしまうような地方よりは、金沢の方がより豊かで安全だと考えられます。
同じような流れで、近年は、老人が都会のマンションに、地震などとは関係なく自主的に移り住むパターンも増えてきているようです。
インフラが中途半端な状態になりがちな地方に比べると、都会のマンションに住んだ方が全体的なQOLが高いと判断している家庭が増えてきているのかもしれません。
今後、少子高齢化はますます進んでいくことが予想されますが、同時に、メガトレンドとして、地方のインフラの維持も困難になることが予想されています。
このような流れで田舎から都会の周辺に人がどんどん流入する流れもでてくるかもしれません。
このような流れによって、結果的に「年末年始の田舎への帰省」という現象は、数十年後にはもしかしたら激減していくかもしれない、とふと考えたのでした。