世の中には、
「さほど、寂しさを感じない」
という人が存在します。
これは、
「もともと遺伝的にそういう性格の特性を持っているから」
という理由の場合もありますが、
それ以上に、
その人自身の置かれている状況も影響しているでしょう。
例えば、
「ソロリッチ」
と呼ばれる属性の人たちがいます。
彼らは金融資本と人的資本に恵まれている人たちで、
「金融資産や、不動産などの有形資産も多数持っているし、健康を維持し、仕事で稼ぐ力も大きな物を持っているが、人間関係などは希薄な傾向にある」
という人たちですね。
イメージとしては、まるで一匹狼のように、他人と群れたりはしていないものの、金もあるし高い能力も持っていて、一言で言えば、
「なんか、すごい人だし、一人でも生きていけそう」
といった雰囲気を持っている人たちです。
彼らは、人間関係がさほど大きく広がっていなくても、その生存確率が大きく下がる可能性が低いという状態を維持できているので、
「別に、孤独感とかあまり感じない」
という感覚になりやすいのでしょう。
たくさんの友達はいないが、親友のような深い関係の人が少数いれば十分と考える傾向にあります。
一般的に、
「人間は社会的動物だから孤独感はどうしても感じてしまう」
と言われてしまいますが、
社会的動物だから孤独感を感じてしまうというのは、「群れていないと生存確率が下がってしまう」時に特に感じやすいということなのかもしれず、
ソロリッチの人たちは、群れていないと生存確率が下がりそうという状況にはそもそもないため、
「わざわざ群れる必要性を感じない」
ということなのでしょう。
それは、それで、人間関係のわずらわしさに振り回されることはないため、その状況でもその人は幸せと言えるかもしれません。
しかし、
「ソロリッチの人がいつまでもソロリッチの状態を維持できるのか?」
と考えるとやや疑問を感じます。
というのも、金のことはともかくとして、年齢を重ねるとどうしても体力などが落ちていくため、健康面に悪影響が出やすいということを考えると、
「今は若いから稼げるが、そのうち、健康を維持できずに収入が低下する」
といった具合に、
人的資本の部分が衰退する
という可能性があるのです。
この部分を、
「自分の時間や体力を過度に消費しない働き方」
に切り替えていかないと、例えば、50歳や60歳、70歳といったタイミングで役職定年などが存在しない年功序列の勤め先で勤めていない限りどんどん年収が下がっていくリスクがあるのですね。
いわゆる、高齢になった際には、人的資本はほとんど残っていない、といった状況になっていると、そのタイミングで、自身の衰退を感じるがゆえに、
「なんだか寂しい」
と感じる可能性があるかもしれません。
そのタイミングで、
「そもそも人とのかかわり方が良くわからない」
という感覚ならば、そこから新規に人間関係は広がらず、社会資本は形成されて行かないでしょう。
今、ソロリッチの人は、
「別に人間関係とかはどうでもいいかな。ていうか、一人でもやっていけるし」
と感じがちですし、若いうちはそれでもきっと大丈夫でしょう。
しかし、人生100年時代、高齢になってからも同じような状況であるとは限りません。
そのことを頭の片隅に入れて行動できると、この先も安心できるでしょう。