人間関係はとかく私たちを悩ませます。
「昔からずっと仲良し!」
という状況であれば、悩みなどないのかもしれませんが、
そういう関係はあまり正直なところ多くはなく、
一時期とても仲が良かったが、
ライフイベントの変化によって、お互いがお互いに使う時間が無くなってしまってあまり会わなくなってしまう、
ということはよくありますし、
逆に、
「昔、仲違いしたが、ちょっとしたことで再会し、少しは仲が戻った」
というパターンもあるようです。
共通の知り合いなどの計らいで、そのように仲が回復した例もあるようですね。
一時期は物凄く同じ時間を共有できたとしても、
まるで賞味期限が切れたかのように、
ふっ、と離れてしまい、そのまま……
ということもあります。
このように、
「あの人と仲が良い」
「あの人と仲があまり良くない」
といった人間関係の評価は一時的なものに過ぎず、
長い人生の中で、流動的なものとなっていることが多いようです。
昔は、同じ場所で同じ人がそれこそ一生の間ずっと過ごしていたというところが多かったので、
同じような関係が一生続く
ということもよくあったようですが、
今はそのような関係の方が珍しいことでしょう。
移動の自由もあり、海外にも容易に行くことができるようになった現代では、
同じような関係がずっと続くことの方が珍しく、
人間関係は常に未完成の状態が続くのかもしれません。
これは人によっては、嬉しい事でもあり、嬉しくないことであるかもしれません。
仲良くしたいけれどもなかなか仲良くなれていない人との間では今後もチャンスはきっとあるということを意味する一方で、
今は、仲が良いけれども、今後ちょっとしたことで仲違いしてしまう可能性がある
ということをも意味するからです。
また、
「自分が上司で相手が部下」
といった社会的地位に関する関係もいつのまにか逆転してしまうこともよくあります。
下剋上が起こり得るということを念頭に入れた振舞い方を普段から研究している人もいるかもしれません。
それでも、できるだけポジティブに考えたいところですね。
現実的には、今仲良くできている人の人数よりも、疎遠になってしまっている人の人数の方が多いでしょうから、
疎遠になってしまった人との間でもまだまだ仲良くなるチャンスがある、そういう可能性が無限に近いレベルで残っていると考えることもできるでしょう。
人生は常に過渡期と言えますが、同じように人間関係も常に未完成なものなのです。