世の中には勤め先がたくさんあります。
その中には、
いわゆるホワイト企業と呼ばれるような良い環境の職場もある一方、
ブラック企業と呼ばれるような劣悪な職場環境もあります。
ブラック企業の定義はマチマチのようですが、
一般的には、
激務
な職場や
長時間労働が常態化
している職場のことを指していることが多いようです。
どんどん仕事が降ってきて終わりが見えない中、頑張っていたら気づいたら一日が終わっていた……
そんな職場にいると、
「普段から定時で帰れるよ~」
と話しているホワイト企業勤めの友人が羨ましくなるでしょう。
特に、
長時間労働なのに、ホワイト企業の友人よりも給料が低かったりすると尚のことホワイト企業勤めの友人が羨ましくて仕方がない……という気分になるかもしれません。
そのような中で頑張っていると、
「このままで大丈夫なのだろうか……」
と感じる人も多いかもしれません。
色々と限界を感じた人は転職した方が良いこともあるでしょう。
しかし、私の経験からもこれは言えることですが、
ブラック企業で長時間労働を行うことを強いられた人だからこそ得られる強み
というものが実は存在します。
もちろん、職場によってその内容が異なる場合があるかもしれませんが、
代表的なのは、
ホワイト企業に勤める人よりも仕事の量が純粋に多い分、その分の経験を短期間で積むことができる
という点になります。
一日8時間労働している人と、
一日16時間労働している人とでは、
そもそもの仕事の量が圧倒的に異なる場合が多いです。
したがって、前者の人が3年かかって手に入れることができる経験よりも、
後者の人が3年かかって手に入れることができる経験の方が多くなる傾向にあります。
転職などを視野に入れている場合は、自分の経験をしっかりと職務経歴書に書いておくと後々評価されやすくなるでしょう。
比較的年齢が若くても仕事ができる人の中にはこのような長時間労働の中で多くの経験を積んできた人もたくさんいます。
若くて体力がある時だからこそこのような短期間で大量の経験を積むということが可能なので、
最初に激務と呼ばれる職場に行ってみるというのは実はアリなのかもしれません。
単純な勤続年数で実力が計れないのは、こういった事情がある場合もあるのです。
他の長時間労働を強いられている人の強みとして挙げられるのは、
本質的ではない仕事を効率的に片付けることができる能力が伸びる
という点です。
これは、もっと平たく言うと、
タイムマネジメントの能力が鍛えられる
という意味です。
仕事の多い職場という物は概して、
意味のある重要な仕事
と
そこまで重要ではない仕事だけど一応やらないといけない仕事
といった多種多様な仕事が雑多に大量に上から降りかかってくる物です。
そして、経験を積むという観点からは、
できる限り、意味のある重要な仕事をたくさんやった方が良いという話になります。
しかし、
あまりにも大量の仕事を降られてしまうと、
意味のある重要な仕事に本当はしっかりと集中しなければいけないのにもかかわらず、集中しにくくなり、大量の仕事に埋もれてメンタルがやられます。
ここで重要になってくるのは、
そこまで重要ではない仕事だけど一応やらないといけない仕事
を如何に効率的にばっさばっさと処理しまくるのか、
ということになります。
仕事というのは日夜大量にやってきます。
その中で、
重要な仕事
と
そこまで重要ではない仕事
があるのですね。
大体の場合、いずれも緊急性が存在していたりするので私たちをやたらと焦らせ、プレッシャーをかけてきます。
しかし、そのような中には、
そもそも緊急性がそこまでないような仕事というのもありますし、
如何にも重要そうに見えるのに、実はそこまで重要ではない仕事
というのも紛れ込んでいたりします。
たくさんの仕事がある中で、
このような判別を瞬時に行い、
そこまで重要ではない仕事だけど一応やらないといけない仕事をばっさばっさと処理していく
ことにより、
本質的ではない仕事を効率的に片付けることができる能力を伸ばしつつ、
重要な仕事に取り組むことができるようになります。
こちらのタイムマネジメントの能力については、一応ホワイト企業に勤めている人でも確かに可能かもしれません。
しかし、長時間労働をしている人にとってはこのような能力がないと文字通り
「このままでは、最悪、過労死してしまうかもしれない」
といった危機的な状況に毎日置かれているので、
このような能力を伸ばす必要性が段違いにあります。
自分の身を守るためにもタイムマネジメントの能力を鍛えざるを得ないのですね。
必要は発明の母
ともいえるでしょう。
このように、
ブラック企業で長時間労働を行うことを強いられた人だからこそ得られる強み
というのも存在するのです。
限界を感じたら転職するべきですが、
一種の修業の場
として、
自分の能力をそこで鍛えてみるのも良いかもしれません。