近年は、ある程度リモートワークも広まってきたことから、
わざわざ通勤に時間をかけない
といったワークスタイルを確立してきた人も増えてきたようです。
とはいえ、周りを見ていると、
それでも、時折、
出張に行った
という方の話を聞くことがあります。
例えば、
午前9時から12時ぐらいまでは新幹線などに乗る
そして、
午後12時半から午後13時半くらいまでの会議に出席する
そして、
午後14時から17時まで再び新幹線などに乗る
という形で移動時間を伴った仕事をされている方など。
このような人のスケジュールを見ると、
ほぼこれだけで一日の仕事が終わる勢いです。
これは、午前9時から午後17時まで事実上拘束されているため、
帰路に着いた頃には、
「ああ、今日は頑張ったな」
本人としては感じるかもしれません。
しかし、よくよく考えてみると、
この人は、
午後12時半から午後13時半くらいまでに会議に出席する
という仕事はしているようですが、
午前9時から12時ぐらいまでは新幹線などに乗る
という時間と、
午後14時から午後17時まで再び新幹線などに乗る
という時間において、
何をやっていたのかが正直よくわかりません。
「いやいや、もちろん、新幹線に乗りながらもしっかりとパソコンを開いて仕事はしていたんだよ!」
という反論が返ってくるかもしれませんね。
確かに、そうかもしれません。
上手いこと仕事をされている人であればそのように働くことも可能かもしれません。
しかし、多くの人の話を聞いていると、
「移動中は、なんとなく窓の外を眺めていた」
という人や
「移動中は、取り敢えず、手持ち無沙汰にならないようにスマホをずっと見ていた」
という人が散見されます。
特に、
公共交通機関を何回も乗り換えるタイプの移動の仕方をしている人は、
なかなか集中して移動時間中に仕事をすることができない
という状況に陥りがちです。
そうなってくると、
移動時間中は移動するだけに力を使ってしまうので、なんだか疲れるし、取り敢えず、頑張った気にはなる
のですが、
先の例にある通り、
午前9時から午後17時まで事実上拘束されているのにもかかわらず、午後12時半から午後13時半までの会議の一時間ぐらいしかまともに働いていない
ということになりがちなのですね。
よく見ると、1時間しか働いていないのに、移動するだけで労力を使ってしまっているので、
「なんだか、すごく今日は頑張ったな、疲れたな」
と本人の中では感じやすいのに、
実際にはさほど仕事が進んでいない
ということになりやすいのです。
このような人のスケジュールは傍から見ても明らかに埋まっているので、
「なんだかすごく頑張った」
という主観的な満足感は得られやすいのですが、
客観的に見るとどうか?とみていくとかなり怪しくなってきます。
このように、
移動時間が長いと「仕事を頑張った気になってしまう」という罠に陥りやすい
ので注意が必要です。
一日や二日ぐらいはこのような予定があっても人生に対するインパクトは大きくはならないかもしれません。
しかし、小さな積み重ねが大差につながってしまうので、
このような移動時間が大きい仕事ばかりをやっている人は、本人としてはとてつもなく頑張っているのにもかかわらず、よく見るとあまり実質的な仕事がたくさんできていないということになりやすいのです。
移動時間というのはいつの間にか過ぎていたりするものなので、意識しないと見逃しがちです。
移動時間が長いと「仕事を頑張った気になってしまう」という罠に陥りやすい
というのは地味に曲者です。
自分の仕事について見直す時には仕事の内容そのものを見直す人が多いのですが、
実は移動時間というのは割と見落とされがちです。
移動時間が長いと「仕事を頑張った気になってしまう」という罠に陥りやすい
ため、
チェック項目に
移動時間
という概念を導入してみることがおススメです。