時間管理マトリクスと呼ばれる物があり、その中で最重要だと言われているのが、
重要性が高く、かつ、緊急性の低い活動である第2領域です。
上の図で言うところの右上の部分です。
ほとんどの人というのは、
「第2領域が大事だということは頭では分かっているんだけどなー」
と思いつつ、
現実には図の左側の第1領域や第3領域を片付けているだけで一日が終わってしまうことが多いようです。
しかし、現実には、第1領域や第3領域を頑張っているだけでは現状維持しかできず、人生をより前進させることは難しいです。
人生を進めたり、自らの進化を望む場合は、どうにかして第2領域の活動を行う必要があります。
場合によっては、緊急性の高い事項を一掃してしまうという荒療治も必要になることもあるでしょう。
そして、ほとんどの人が自力で行う事が難しい第2領域だからこそ、
仕事として、クライアントに第2領域の活動を進めることのサポートをすることが最も重要だと考えています。
例えば、虫歯になった人が毎回デンタルクリニックにいって治療して、その度に4000円ほど治療費を払っているとします。
この人は確かに、クリニックに行くことで今の虫歯の苦しみ、すなわち緊急性が高く、重要度も高い第1領域の部分を解決できているわけですが、
しかし、そもそも虫歯が発生してしまう原因をつぶせていないため、毎回のように虫歯になってしまい、その度にクリニックに通って治療費を払い続けるという対症療法を続けざるを得ないわけです。
このような人の場合、そもそも虫歯が発生してしまう原因として、
「毎日3回の歯磨きやデンタルフロスをしたくてもなんだかんだで上手く習慣づけられない」
というのがあるかもしれません。
そうなると、本当は、虫歯になる度にクリニックで虫歯を治療するという対症療法よりも、歯磨きやデンタルフロスをこまめに行うという根治療法の方を行うべきだという話になります。
そうなると、そのような第2領域の活動として、自分では上手く身につけられないような行動習慣を身につけるためのサポートを行うことができることが最も価値ある仕事ではないかと考えています。
例えば、この人が毎月虫歯になってしまうような人で、その度に4000円ほどクリニックに支払っているとしたら、
年間で4000円×12ヶ月=48000円
の支出があるわけですし、これがこれから何十年分も加算されるわけですが、
しかし、例えば、10万円ほど支払って、虫歯になる原因をつぶせるようになった場合、2年ちょっとでクリニックに支払わなくてはならなくなった分は上回りますし、
更に言えば、虫歯の苦しみをそもそも味わう必要も無く、毎回のクリニックに通うための時間の確保も不要になりますね。
このように、根治療法の方にかかってしまう値段が一見高いように見えたとしても、長期的に見れば、それ以上の価値を回収できるわけです。
目先の利益しか見えていない人はこのような説明を受けてもぴんとこないかもしれません。
しかし、このような人がこれから100年間生きる想定の人だったらどうでしょう??
残りの生きている期間が長いほど、なるべく早い段階で根治療法を行うことができれば、
その分支払うべきではなかった費用も支払う必要がなくなるため、結果的に良いことづくめです。
残りの寿命が長い人ほど将来の負債で削減できる部分も増えるわけですので効果性が高いのですね。
すなわち、理論上、一番その人が若い状態である今やっておいた方が良い第2領域の活動があるわけですね。
このような活動を完全に着想から実行まで自力でできる人もいるので、そのような人は他人のサポートを必要としないかもしれません。
しかし、
「自分にとっての第2領域の活動とは何なのかがそもそもよく分からない。全く思いつかない。」
という人や
「第2領域で多分をこれをやったほうがいいとは思っているんだけど、何だかんだで上手くできない」
という人が現実的には多いと思われます。
したがって、そのような人をサポートしたり、ヒントを与えることができる人が仕事において高い価値を出している人なのではないか、と考えています。
確かに、売上げだけを見れば、上のデンタルクリニックのように、ひたすら第1領域の仕事である対症療法を続けていた方が結果的にクライアントからとれる売上げの総額は高くなるかもしれません。
しかし、クライアントの真の価値という物を考えたらやはり第2領域である根治療法の方をメインにアプローチした方がいいのではないかと思いますし、
その方が、社会全体的に見ても価値を出せているのではないかと思っています。
だからこそ、私は、クライアントにとっての第1領域の仕事ではなく、クライアントにとっての第2領域へのアプローチをメインの仕事としたいと思っています。