近年、金融課税の強化の検討が進められているようです。
例えば、株式を握っている場合に含み益が生じている場合は、売却した際に譲渡所得、配当が出ている場合は配当所得があるとして課税されるわけですが、これが増税される可能性があるわけですね。
これについては、今後十分にあり得るという想定でいて良いと私は考えています。
すなわち、金融資本に完全に依存した体制を放置しておくと危ないということですね。
しかも、消費税なども増税される可能性があるため、ますます生活が圧迫される可能性というのがあるわけです。
対抗策として考えられるのは大きく分けて2つでしょう。
①金融資本以外の稼ぎ口を探しておく
②そもそもあらゆる取引を貨幣経済に依存しすぎないようにする
①金融資本以外の稼ぎ口を探しておく
①はかなり単純な話で、収入の複線化をしましょうという話をしています。
サラリーマンであれば、勤め先から給与所得が出ているはずですが、これと金融資本と併せても収入のあては2種類しかありません。
他の所得の種類、例えば、不動産所得、事業所得、一時所得など異なった種類の収入口を確保しておくということが重要になってきます。
因みに、個人の場合は所得の種類は10種類あり、それぞれ課税のされ方が異なります。
ここではいちいち解説しませんが、個人の場合は10種類の所得の特徴について勉強しておくことが重要です。
調べてみると、退職所得が如何にすごい制度であるか、など色々発見があるはずです。
自分が挑戦しやすい所得を目指して収入の複線化を行うことを目指すのが良いでしょう。
更に言えば、やはり、法人を使いこなすことが重要です。
法人の場合は、法人税法を調べてくださいという話になりますが、個人と違って所得の種類に区別が特になく、益金や損金という形で観念されています。
これによって、個人の場合は例えばあまり美味しくない(?)雑所得に分類されてしまうような所得を敢えて法人で得るということを行うなどの工夫をすることが可能です。
単純に、個人で法人を設立しておくと、所得の分散化を行うことができるので税金について個人単体の場合よりもコントロールしやすくなると言うところがあります。
因みに、法人設立の際のデメリットとして、ランニングコストとして、①毎年法人税等がとられてしまうことや、②税理士報酬がかかってしまうという点が良く上げられます。
このランニングコストを気にしてなかなか法人設立の決断ができない人がいるかと思います。
しかし、法人を実際に設立した経験のある私としては、意外と大きな障壁にはならないという感覚です。
すなわち、赤字決算であれば、法人住民税7万円ほどは確実に取られますが、逆に言えばこのくらいしかとられません。月に換算すると5000円強でしょうか。
また、税理士報酬についてですが、税理士さんは別にマストではありません。
税理士に任せないと法人決算は無理という話は良く聞くかもしれませんが、そもそもまだ個人で独立して稼ぐことに慣れていない人の場合、仕事がなさ過ぎてそもそも取引回数が少ないため、膨大な仕訳をする必要が無い場合があります。
取引数が少ない場合には、freeeなどが出しているクラウド会計(会計freee)やセルフ申告(全力法人税など)の内容だけで十分だと思われます。
全て自分でやるのは確かに時間がかかってしまうのですが、もともと大金を稼ぎまくれる人ならばともかく、そもそもショボい内容の決算しか出せないような法人に対して税務署がお尋ねに来る可能性はそこまで高くありません。コスパが悪すぎます。
無申告で放置することだけはさすがにオススメしませんが、税金などについて分からない点があれば税務署に電話して質問すれば解決してしまうことがほとんどです。
仕訳についても、簿記を勉強したりすることはもちろん(もちろんショボい法人の場合は3級レベルでも十分です)、それでもよく分からない場合は、ネットでググれますし、freeeでは電話サポートやチャットサポートがついています。
したがって、決算が大変そうだという悩みについても、売上げがまともに立って来た段階で初めて心配すれば済む話ではないか、と思うのです。
どちらかというと、「法人の運営ってこんな感じなんだ」という感触を得るために、本格的に稼ぐ前にまず初めに法人設立をさっさとしてしまうことの方がある種の経験値になって良いかもしれません。
税理士さんに今後お願いするにしても一度自分で本格的に決算・税金の勉強したことのある人と、全くやったことが無い人とでは、どのような税理士さんにお願いするのが良いのかという判断基準を作ることがそもそもできなかったりします。
私は他人に何か外注することや物を頼む場合には自分でも少しはできるようになってから発注することが重要だと思っています。
少なくとも、その分野の入門レベルの知識は欲しいところです。
そうすれば、良い外注先かどうかも事後的に評価しやすくなりますからね。
丸投げすることは避けることが賢明です。
税理士さんにもしミスがあっても知識が無ければそれを指摘することがそもそもできませんからね。
税理士さんにお願いをしていたとしても、最終責任を負うのは自分なのです。
因みに、税理士さんだけでは無く、司法書士さんもあまり必要がありません。
私は何度か法人登記について手続きを行っていますが、設立も含めて一度も司法書士さんにお願いしたことはないです。
というのも、ほとんどの場合はショボい変更手続きしかないので、その程度ならば司法書士さんにお願いしなくても自分で登記申請書の記載事項や必要になる添付書類は調べられるからです。
特に設立時登記や本店所在地の変更登記や代表者の住所変更の登記などは正直司法書士さんにお願いするまでも無いと感じます。
因みに、たとえ若干の不備があったとしても法務局の人に聞けば丁寧に教えてもらえますし、最悪、捨て印を用いれば法務局の方でしっかりと処理してもらえます。
私は自分で作成してしまったので、実際には使用していませんが、今さっと調べたところ以上のようなサイトもあるようです。
こういうのを探すことができればあまり知識がなくても自分で登記手続きを進めることができます。
いずれにしろ、このような専門家にお願いする場合にはお金がかかってしまうのが常ですが、まだ全然稼げていない人の場合は敢えて自分で調べて経験値を貯めた方が後々稼げるようになってから改めて彼らに頼ることになった場合に良いことがあるかもしれないです。
何が結局言いたいかというと、法人設立のハードルは結構低いので、さっさと設立してしまった方が良い場合がある(個人の所得が低すぎる場合はすすめませんが・・・・・・)ということです。
因みに、法人設立の際の登録免許税が高い、、、、と感じている人もいるかもしれませんが、
設立登記の登録免許税軽減(創業支援事業)というのがありますので、各自治体でググって調べてみると登録免許税も安くできます。
「特定創業支援事業」や「租税特別措置法第80条第2項」あたりでググってみてください。
時期によって上手く活用できないかもしれませんが、こういうのを知っておくと有利です。
法人に関して書きすぎると脱線してしまうので、今回はこのくらいにしておきます。
②そもそもあらゆる取引を貨幣経済に依存しすぎないようにする
次に②です。
これはどういうことかというと、そもそも生活するためにお金がかかりすぎるのが根本的な問題なんですよね。
貨幣経済に生きている私たちとしては、これは仕方がない部分があるのですが、生活のためにお金がかかりすぎる状態を放置していることそのものがリスクに繋がりかねません。
↑でも言及していますが、生活のためだけにお金がかかりすぎる状態を放置しすぎないことも重要になると思われます。
もちろん、貨幣経済のシステム自体はとても便利なので否定する気持ちは全くないのですが、依存しすぎると危ないということです。
どのような場合に貨幣経済に頼るのか、あるいは頼らないのか、という判断基準について自分の中で持っておくと良いと思います。
このような考えをするにあたって、重要なのは、「お金とはそもそも何か?」という認識だと思っています。
私の中では、貨幣などのいわゆるお金と呼ばれる物の最大の効用はコミュニケーションコストを下げることができる点にあると考えています。
要するに、貨幣を持っていって、このくらいだったら貴方にあげることができます、と商品やサービスの提供者である相手に提示しただけで、相手は貨幣によって示された価格分の恩恵を自分が取引によって受けることができるということがわかるため、全く信頼のできない他人同士でも比較的スムーズに取引が成立するわけですね。
これが商品同士の物々交換取引の場合は、対象となる両方の物において、これらは交換するに値するものなのか、これは本当に対等な取引なのか、という点をいちいち気にする必要があるので大変です。
お金は信用であるという言い方をする人もいますが、全く知らない人との間でもお金を通じて取引を比較的簡単に成立させることができるという点が貨幣経済を活用することにおいて優位性が高いのです。
コミュニケーションコストについては以下でも言及しています。
ここでも、コミュニケーションコストを下げるために見た目が重要になるなどと語っていますが、見た目が良いというのはすなわち「わかりやすい魅力がある」ということでもあります。
そして、お金というのはそのような「わかりやすい魅力がある」ツールとして扱われているので、赤の他人同士の取引をスムーズに進める潤滑剤になっている側面があります。
私たちはふとしたときに、「なんかお金が欲しいな-なんか簡単に稼げないかなー」などと思いがちなところがあると思いますが、
お金というのはこれほどまでに「わかりやすい魅力がある」ものなのですよね。
そして、よく言われるのが田舎は年収が低い仕事しかない、都会の方が年収が高い仕事があるということですが、
田舎においてたとえ年収が低くてもまともに生きていける状態の人というのは結構たくさんいます。
すなわち、生きていく上で、年収や、お金をもともとそこまで必要としていない人たちですね。
こういう人たちというのは、生活を貨幣経済に実はそこまで依存していないわけです。
下手に都会に出てきて、中途半端な年収で高い家賃などに苦しめられるくらいならば、田舎に居続けた方がマシ、という状態の人も正直いるでしょう。
そして、田舎の人たちが貨幣経済の代わりに依存しているのは地域の人間関係です。
「お互い様」の精神で、人間関係として相互扶助の関係になっているからこそ、生活費が少なくて済むわけです。
もちろん、自分のスキルを高めて生活費を下げるということも可能なのですが、そのような自分のスキルを磨く以上に人間関係による恩恵というのは計り知れません。
したがって、人間関係、ネットワークを創っておく、社会資本を形成しておくというのはとても重要なことであると思われます。
もっとも、
地域社会のような濃密な距離感の人間関係ってそもそも苦手なんだけど。。。
という人も多いと思います。
その場合は、やはり活用できるのはインターネットを通じた「ゆるい関係」づくりでしょう。
↑ここでも言及していますが、ネットを通じたコミュニケーションが今では可能なので、距離が離れていても人間関係を創ることは可能です。
勿論、対面で会うことのインパクト、情報量には勝てない面もありますが、リアルとネットを上手く組み合わせることによってバランス良く社会資本を形成することが可能でしょう。
これによって、貨幣を使用しない「お互い様」取引をしあえるような関係を創っておくと、貨幣経済に依存しすぎない状況を少しずつ創ることも可能です。
このような形で、金融課税への増税が行われてしまったとしてもこれに対する対抗策を今のうちに考えておくと慌てずに済むと考えられます。