世間的にはFIRE、すなわち経済的自由を達成した上で、リタイアするということについて大きく4つの分類があるようです。
1つ目は、FAT FIREで、これは完全リタイアの上で、潤沢な不労所得をもちいて大きな支出を伴う生活を送ることをおおよそ指すようです。
2つ目は、リーンFIREで、これは完全リタイアの上で、低支出の状態を維持して、不労所得による生活をすることをおおよそ指すようです。
3つ目は、サイドFIREで、これは完全リタイアするわけではなく、フリーランスや自営業者がやっているような仕事をやって細々と収入を得つつ、同時に資産所得からの不労所得も得る状態をおおよそ指すようです。
4つ目は、バリスタFIREで、これも完全リタイアするわけではなく、しかし、週5日間労働では無く、週2,3日や4日のみ働きながら、その傍らで資産所得からの不労所得を得る状態をおおよそ指すようです。
当然、達成難易度が高いのは1つ目のFAT FIREで、これを若くして達成するためには、給与所得を得る勤め人のままでは正直厳しいと考えられます。
起業して成功した経営者が事業を売却した場合や、株式投資などで集中投資で大勝ちした人で無いと達成は難しいと考えられます。
したがって、近年は大きな支出を前提としない、リーンFIRE、サイドFIRE、バリスタFIREがその派生形として流行ってきているということなのかもしれないですね。
以前の記事で、もはやFIREムーブメントと言うよりは、単純に生き方に多様性が生まれてくる時代になっているだけなのではないか、という指摘もしました。
テクノロジーの発展により、生活費もある程度の水準まで減らすことが可能であったり、
そもそも、結婚しないで、子供も要らない、独身で行くと決めている人が出てきていることから、
FIREに関しては状況によっては難易度が大幅に下がっていると思われます。
特に私のように、生活費を月10万円程度にすることができる人やそれ以下の生活費でそもそもどうにでもできるという状態を作れる人にとっては、敢えて自分の寿命を削ってまでお金を得るために「ライスワーク」をする必要が無いわけです。
このような人は、ライフワークとして、自己実現的活動に注力することが可能になります。
そして、勤め人であっても、これが必ずライスワークになってしまうわけでは無く、
同じ勤め先で働いていく中で、勤続年数を重ねていく中で、
「ライスワーク」→「ライフワーク」
にいつの間にか変わっていたという人もいるかもしれませんね。
これは、一般的に年次が若い人や新人の方が勤め先からやりがいのない仕事を必然的に振られやすいが、年次が上がってくると裁量が認められる場合が多く、その頃になってくると、仕事が楽しくなって来やすいということもあると思います。
できなかった、そのような運に恵まれなかったという人は、そのうちその勤め先を退職することになるでしょう。
私も3年で仕事を辞めた人の話を聞いたことがありますが、
「3年働いたけど、キツいのは、何も変わらなかった」
と話しているのを聞いたことがあります。
おそらくこれよりも長く働いている人は、このような話を聞くと
「いや、3年で判断するのはまだ早い。もうちょっと頑張れよ。」
などと思われる人もいるかもしれませんが、
退職した本人目線では、
「3年働いたけど変わらなかった。キツいままだった。今後も変わらないだろう。」
という結論になっているようです。
因みに、私は、そもそも3年間も働いていない、働いた経験が無いので、おそらく一番何も判断できない立場です。
そして、私自身は禄に判断できない立場であることを前提にコメントせざるを得ないのですが、
「実は、3年もあれば色んな事を変えることは可能である(しかも、3年も必要ない)」
ということを言いたいです。
私の場合は具体的に何をやってきたのか?
一言で言えば、業務の効率性や生産性を上げて勤め先を少しずつ事実上不労所得化していったという点だと思います。
不労所得化というと非常に大層なことをしたかのように見えますが、
個々の行動を見るとそれは非常に小さな行動に過ぎません。
具体的には、
①不要な会議も含め、仕事における無駄な業務の工程を徹底的に削減
②仕事におけるゴールを明確化し、無駄なメールのやりとりをなくすために、あらゆる問題を想定し、そもそもなるべくたった一撃で問題を解決する
③メールの送信予約機能により、自分にメールが来るタイミングをコントロールする
④自分の成長に寄与しない業務はやらず、部下を教育して部下になるべくやらせるようにする
などの一つ一つの本当に小さな積み重ねによるものです。
これはタイムマネジメントの観点から、そもそも要らない作業を省いたり、自分以外の人にもできる仕事は外注したり、外注できるようにするために部下を教育したり、そもそものシステムの効率性自体を改善する提案などを行いました。
このブログのカテゴリー「時間管理」において、既に80以上の記事があるようですが、そこに主に私が今までやってきたことが書かれています。
分量もかなり多く、全部見るのはかなり困難だと思いますが、代表的な考え方、「マインド」は以下の記事を参照していただければ分かると思います。
一つ一つの記事は長いので読むのが辛いかもしれませんが、
これらの考え方になぞって実際に行動に移すことができれば、
勤め先の不労所得化は可能になります。
こんなことを書くと、
「いや、貴方の職場はもともとホワイトだったんでしょ?こっちは違うんだよ」
などと思う人がいるかもしれません。
残念ながら、私の勤め先は、絵に描いたような高給激務として認識されており、
この前も、働き過ぎてメンタルを病んで、数ヶ月の休職の後、「もはややってられない」と、退職を決めた若手が出てきました。
私と同じ部署の方ではなかったので、直接の面識は無く、実は詳しい経緯は知らないのですが、
この方のように、鬱病になり、激務過ぎて無理、もっとホワイトな職場に行かなければ死んでしまう、と考えて退職者がたくさん出てくるような職場なのです。
勤め先さえ変えれば、職場さえ変えれば、今よりも待遇が良くなるとか、ホワイトな職場になるとか、良い人間関係に恵まれると考える人は多いでしょう。
もちろん、そのような面はあるため、完全に否定することはできません。
しかし、限られた環境の中でも自分の力で変えることができる、コントロールできることというのは実は、存在するのです。
このようなことを書くと、
「それだと貴方の部下が大変な思いをしているのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、私の部下や私が仕事を頼んでいる人の中にはまだ退職者は出ていません。
というのも、私の場合、仕事を頼む場合であっても適当に投げつけるのでは無く、適切な依頼の仕方を心がけているのが大きいでしょう。
上司から
「あれ、お願い」
みたいな適当な指示をされると、
部下としては
「分かりました(え、何をどうすればいいんだ??取りあえず考えるか・・・・・・)」
となりかねません。
上司から来る意味不明な指示。これがストレスに繋がります。
適当な指示をするのでは無く、敷居を低くして取り組みやすい指示をすることが必ず必要です。明確な指示ですね。
そのほかにもさまざまな工夫によって依頼を受け入れやすくする工夫が為されており、受け手にストレスをなるべく感じさせないようにしているのです。
ストレスが多いと実際の労働時間がどうあれ人間は激務に感じやすくなります。
そして、これが極まると鬱コースです。
したがって、ストレスをできるかぎり軽減する工夫が上司の立場では必須なのです。
これに関連したツイートも最近はいくつかしました。
しかも、それだけではなく私の場合は、業務が短時間で済むような工夫も同時に行っているので実際に必要になる業務時間も減っているのです。
従って、部下においても過度な負担が実はかからないようになっています。
このように同僚との間でのコミュニケーションにおける工夫次第で上手く仕事が進むようになります。
これに関連する話もカテゴリー「コミュニケーション」における記事でいくつか過去に言及しています。
このようなあらゆる工夫をしていくうちに、労働時間は激減していきます。
本日、2021年8月6日(金)ですが、実は30分ぐらいしか労働していません。
むしろ、このブログを書く時間の方が仕事の労働時間よりも長いのです。
このように、実は職場環境というのはある程度改善することが可能なのです。
FIREを目指して金融資産がある程度貯まったらさっさと退職してしまうと言うのも良いのですが、
そもそも、今の職場で働くのが嫌だというのがほとんどの人のFIREにおける主たる動機でしょう。
FI、すなわち経済的自由を目指して、その上で、勤め先における職場環境の改善を行ってしまうことによって、経済的な安心を背に仕事を楽しむことが可能になります。
このような勤め先の不労所得化はもちろん一朝一夕ではできないことではありますが、
しかし、実践者として語りたいのは、勤め先の不労所得化はありとあらゆる工夫で実は可能だと言うことです。
もしかしたら、これを魔法のように感じるかもしれませんが、
しかし、実のところ、小さな積み重ねによる賜物なのです。