私は比較的チキンな性格ですので、大きな変化を及ぼす決断に対しては非常に慎重に行きたいと考えています。
例えば、いきなり100万円をよくわかっていないサービスにつぎ込むということは精神的に難しいと考えています。
なぜならば、手元にある資源は有限であるため、よくわからないことに対していくらか大きく資源を投入してしまった場合、本当は他に自分がつぎ込むべき先があったのにもかかわらずそれに気づいていなかったということがあり得るのであり、それを後で気づいてももう手元に資源がないため、機会損失を被るということがあり得るからです。
たまに、給料から対してお金を支出しない人に対して、「そんなに貯金してどうするの?」とか「若いんだからお金は使った方が良いよ?」という人がいますが、たとえ、貯金をすること自体が趣味ではなくても、早まってお金を使うことはやめておいたほうがいいと考えています。
人生の三大支出は、住宅、教育、保険らしいですが、特に住宅となるとかなり大きな取引をすることになることは想像に難くありません。
住宅ローンがあるからいけると思ってしまう人もいますが、当然返済を行う分、手持ちのお金は減っていくため、その都度減っていったそのお金を本当に大切なことのために使うことができなくなるのです。
持ち家になったら資産になるから、という話もわからなくもないのですが、持ち家がもたらしてくれるのはよくて含み益でしかなく、買えるからと言って身の丈に合わない取引を安易にすると、他に遣うべき使途にタイミング悪く使うことができなかった、という事態に発展することもあり得ます。
従って、自己資金がそこそこあるからといってそれを不動産という比較的流動性が低いアセットに変えて財産を固定化してしまうことは、不動産そのものがはらむリスクのみならず、自分の人生すら制限されてしまうという危険性があると考えています。
したがって、粛々と貯蓄を重ねながらも大きな買い物をする場合にどのような基準で自分は手を出すべきなのか、ということをしっかりと勉強しておくことが重要ではないでしょうか。時間はあるのですから。
貨幣はその価値を保存することができ、すぐに使用する必要がないという点が優れているのですから、その利点を最大限活かすべきなのです。
そのため、貯蓄を毎月のように地味に続けつつ、どのようなお金の使い方をするべきなのか、ということを粛々とリサーチをし、自分の中で考察を深めるという端から見たら何も面白みも感じられない作業が重要になってくるでしょう。
不動産に限らず、教育費もかなりくせ者です。
正直、お金をかけなくとも勉強すること自体は可能であり、よほど余裕が無い限り適当なものに教育費をつぎ込みまくっているといつのまにか手持ちの資金が枯渇します。
学費も馬鹿にならないところが多く、調査が足りない状態で安易に学費が高いところに進学してしまうと後で成果があまりとれなかった、投資が失敗したということがあり得るのです。
私は自己投資にはとにかくお金を使ってよしと考える派ではありますが、しかし、数千円で買うだけで済む本ぐらいは気兼ねなく支出できても、一気に数十万から数百万円も出さなければいけない場合は、しっかりと投下資本が回収できるのか、それだけの価値があるのか慎重に判断するべきだと考えています。
自分は一体お金を使って何を獲得したいのか、そのためにはどのような方法が適切と考えられるのか、そのためにはいくらまで出すことができるのか、これを自分が興味関心ある全分野でバランスを取ることが可能になるように判断基準を設定する必要があります。
特に数百万円を超える額を投資する場合は一大決心と言っても差し支えがない所もあると思っているので、徹底的にリサーチを行って、購入するだけの確信を高めておく努力が不可欠になると考えています。
そして、リサーチをしている間は現実には行動していないも同然なので何も成果が出ないので苦しい期間であり、端から見ていて代わり映えのない期間が続いてしまいますが、これに飲まれてはいけないと考えています。
逆に、大きな資源を動かさない、一大決心というのとは離れたレベルの投下資源が小さな取引についてはその分リスクが低いと言えるため、ガンガン行動を重ねていくことが重要になると考えています。
したがって、小さな取引についてはどんどん行動を重ねて試行錯誤を続けてフィードバックを得つつ、同時に来たるべき時に向けた大きな取引を着実に行う為の準備を怠らないというバランス感覚を持って日々を過ごすのがちょうど良い力の配分なのではないか、と考えています。