勝って兜の緒を締めよ、という有名なことわざがありますね。
とかく、良い結果が出続けていると人間は調子に乗りやすい性質があるので気をつける必要があると考えています。
例えば、金融商品へ投資をしている際にも何年も結果が出続けていると、永遠にこのような結果が今後も出続けるのではないか、という錯覚を覚えることがあります。
そして、もっとリスクを取って早く結果を出したいと思いがちです。正直私にもそのような気はあります。
そのようになってくるとどんどん気分が高揚してきて、どんどん投資に回すお金が増えていきます。
そして、それでも痛い目に会わなかった場合、更に調子に乗ります。
次はレバレッジをかける取引に手を出し始めます。
もちろん、レバレッジをかけること自体は一種の戦略でもあるのですが、これを行っているといつの間にかリスク許容度を超えた取引にも手を出してしまいがちです。
そして、いつかのタイミングで運の悪さがやってきて、一発で退場、ということもあり得ます。
投資で一番避けなければいけないのは、この致命的なミス、一発退場です。
したがって、たとえ可能性が低くてもこのような致命的なミスが起こりうるのであるならば、できる限り手を出さないという基本姿勢が必要になります。
このようなことは人から言われたら、まあそうだよね、となりますが、いざテンションが上がっている際にはなかなか気づきにくいところがあるので、冷静なときにしっかりと計算をしておいて意思決定の基準を確立しておくことが重要になると考えています。
明確なものさしが自分の手元にあれば、気分が高揚していたとしても、冷静になりやすいです。
例えば、私の場合は、金融商品への投資の際には、基本的には現物のみを扱い、レバレッジの効く取引は行わないようにしています。
おそらく、今後レバレッジの効く取引に手を出したくなったとしても、負のレバレッジが効いてしまった最悪のケースを想定して、それでも手元資金が枯渇しないような状況が確かに保てると確信したときにしか手を出さないようにしようと決めています。
確かに、レバレッジをかけたほうが早く良い結果を得ることは可能になりますが、同時に負のレバレッジが効いてしまう可能性というのを常に忘れてはいけないのです。
そもそもこの負のレバレッジについてどこまでが最大幅でかかるのか、という点を事前にしっかりと計算しておくことが重要でしょう。
このような基本姿勢を外さなければ、少なくとも一発退場という事態は避けることができます。
とにかく、一発退場の事態は避けなければいけません。これは、不動産投資を行う際もそうですし、マイホームを買うときにもそうです。
マイホームになると何故か急に気が緩む人がいますが、住宅ローンも立派な借金であるという事は忘れてはいけません。
今の毎月の給料の範囲内で余裕で返せるからきっと大丈夫という考えは甘いと考えています。
マイホームを購入する際にも負のレバレッジが最悪どこまでかかってしまうのか、計算した上で購入することが重要であると私は考えています。
例えば、不動産投資の場合は、最大リスクとしてやはり最終的に残るとしても土地の値段だけだと思った方が良いと思っています。
夢のマイホームの場合もそうですが建物の値段は最終的に0円になるという想定で私は手元で計算しています。
また、これは転職などをする際にも同じ事だと思っています。
新しい環境に行くこと事態、そもそもの話リスクまみれです。面談でそれなりに話したからといってそれだけで新しい職場になじめるとは限りません。
予め、良く見知った友達や知り合いから紹介してもらったりするなどの方法で、できる限りリスクを軽減していくという姿勢が重要になるでしょう。
引っ越しをする際にも、適当に雰囲気で決めるのではなく、自分にとって譲れない条件についてはしっかりと手元でリスト化するなどして、確実に必要になる条件を押さえることが重要です。
究極的な話をすると人生そのものが落とし穴だらけ、地雷だらけ、リスクだらけといえそうですが、そのうち、不可避な物もありますが、しかし、自分から意識的に避けることができるリスクというのは確実に存在します。
例えば、できる限り長生きをしたいという願望や目標を持った場合、①突然の交通事故、老衰などの自分の努力では避けきれない物、と②自分の努力である程度避けられる物が存在すると考えられます。
①は仕方がない部分もあるので、②の方から意識的にリスクを避けていくことによってとにかく一発退場だけは避け、リスク許容度を意識した投資方法、生き方が必要になってくると思われます。そうでなければ高い確率で長生きするということはできなくなるでしょう。
あらゆるジャンルに取り組む際に、この一発退場だけは避けるという強い意識とそれをテンションが上がってしまった際にも実行可能にするための意思決定基準の確立が重要になってくると思います。