「できることならば、悪習慣はやめることにして、良習慣を身に着けたい……」
そう考える人は多いかもしれません。
しかし、言うは易しで、なかなかこれを実行に移すのは容易ではありません。
張り切って良習慣を習慣化しようと頑張っていたけれど、
気が付いたら元の木阿弥に……
という人は多いのではないでしょうか?
困ったことに、いわゆる良習慣は続けにくいのに、悪習慣はすぐに手を付けたくなってしまいます。
せっかく頑張ってきたのに、
「闇堕ち」
してしまった人も多いでしょう。
何故、いわゆる良習慣は続けにくいのに、悪習慣はすぐに手を付けてしまうのか?
その一つの答えとして、
現状においてその習慣に必要なコストの違い
というのが挙げられます。
例えば、都心に住んでいる人などは、
コンビニに行く回数はなるべく少なくしたいと考えていたとしても、ふと、気づくと視界に入ったコンビニにふらふら入ってしまう人は多いでしょう。
しかし、もしあなたが山奥に住んでいて、一番近いコンビニに辿り着くまで少なくとも4㎞はかかるところに居住していたらどうでしょうか?
よほど暇な人でない限り
「コンビニに行くのはまとまった用事ができてからにしよう」
と思うのではないでしょうか?
少なくとも気軽に「いつのまにかコンビニ行ってしまった」という状態になる人は激減するはずです。
これは、コンビニ行くという行動につきかかる時間というコストが全然違うから、ということになります。
また、近年だとスマホ依存に悩まされている人もいることでしょう。
スマホに依存しやすいのは、
いつでも手元にあるから
という手軽さにあるでしょう。
視界の中にスマホがあるだけで、何かが気になってついつい手に取ってしまう人がとにかく多く、
この手軽さが、多くの人をスマホ依存にしてしまうのです。
代表的な悪習慣に悩まされている場合、手軽にその習慣を実行に移せてしまう、といったコストの低さが問題となっているケースが多いです。
スマホ依存から本気で抜け出したい人は、
視界からスマホを消す
とか
いわゆる禁欲グッズを使ってスマホを触れられなくする
といった方法で、
スマホを手に取るために必要なコストを増やす必要があります。
一方で、
身に着けたい良習慣が億劫になって結局続けられなくなってしまうのは、
その習慣に必要なコストが重すぎるから
といった理由が関係してきます。
例えば、勉強を習慣にしようと思っても、
普段の勉強に必要な教材が、学校など家とは別の場所にある場合、
その場所に行くという移動コストが毎日余分にかかるため、
雨が降った
とか
交通網がマヒした
とか
なんとなく外出したくない気分
といったよくありがちな事情によって、いとも簡単に挫折することになります。
しかも、より難易度の高い良習慣であればあるほどこのコストは増える傾向があり、これが難易度を高めています。
したがって、何か良習慣を習慣化させる際に考えるべきこととして、
「習慣を行うためのコストを削減できないだろうか?」
という問いを頭に思い浮かべるのが良いでしょう。
上手いこと、習慣のために必要なコストを減らした状態で、スタートダッシュを決めると継続することが容易になります。
「習慣を始めるためにはまずは自分にとって負担にならないように少しずつ始めましょう」
といったことはよく言われるのですが、
これは、習慣を行うために必要なコストを減らしておく必要があるためです。
そうしないと続けられないのですね。
そして、特定の習慣を続けていくと、
その習慣をさらに強化したくなります。
習慣によって得られる効用をさらに伸ばすためには、習慣を強化する必要があります。
しかし、習慣をそのまま強化しようとしても、
習慣のために必要なコストも同時に増えるため、
気合で強化しようと思っても難しい場合が多いのです。
したがって、
習慣化を始めた段階から、
「習慣を行うためのコストを削減できないだろうか?」
と考えて試行錯誤していくと、
習慣を強化したい場合、習慣の頻度を増やしたい場合であっても、スムーズに実行できるようになってきます。
このように、
良習慣の習慣化のためにコスト削減という視点は必要不可欠といえるでしょう。
何事も気合だけで乗り越えるのは限界があります。
上記の視点をもって分析をすれば打開策が見えてくるでしょう。