「簿記は勉強しておいた方がいいよ」
と聞いたことがある人は多いと思います。
実際に、簿記を勉強してみたことがある人ならば、経理などで上手く仕事に生かせている場合もあるでしょう。
しかし、簿記の真の強みというのは、このような「目先のできる仕事が増えること」にとどまりません。
簿記を勉強することの真の強みは日常生活において、「投資」の概念を念頭に行動できるようになることでしょう。
「投資」
というと
手元の金銭をどう使うか?
といったことを真っ先に思い浮かべやすいものですが
多くの人にとって手元にある一番大事な資源は、時間、寿命、もっと言えば「若さ」になるでしょう。
人生とはあなたが今持っている「若さ」を他の何かに転化させ続ける運動ともいえるでしょう。
そして、これを仕訳をしようと考えると、
例えば、
「今日は、8時間勤め先で働いた」
とすれば、
借方科目 | 時間 | 貸方科目 | 時間 |
勤務先仕事 | 8時間 | 若さ | 8時間 |
といったイメージの仕訳になることでしょう。
貸借一致の原則によって、貸方科目と借方科目の合計時間は一致することになります。
そして、日々生きていく中で
借方科目 | 時間 | 貸方科目 | 時間 |
睡眠 | 8時間 | 若さ | 8時間 |
通勤 | 1時間 | 若さ | 1時間 |
勤務先仕事 | 8時間 | 若さ | 8時間 |
通勤 | 1時間 | 若さ | 1時間 |
…… | …… | …… | …… |
…… | …… | …… | …… |
このようなイメージで、どんどんあなたの人生に関して仕訳が記帳されていくことになるでしょう。
会計ソフトなどを使ったことがある人は、金融機関・決済代行業者との連携機能によって、自動的に仕訳がなされていく様を見たことがあるかと思いますが、あれと同じように時間が過ぎていくごとにどんどんいつの間にか仕訳されていくことになるでしょう。
そして、最終的にその人の人生を決めるのは上記の表でいうところの、
借方科目においてどのような勘定科目がどの程度存在するかによって決まることでしょう。
最終的に、このような仕訳は貸借対照表や損益計算書となるわけであって、それによってその人の人生が創られているわけですが、
貸借対照表も損益計算書も、もとはと言えば1つ1つの仕訳から成るものです。
そして、
誰もが持っている手元の資源である、時間、寿命、「若さ」を適切に使用することができれば、その人が望む人生に近づきやすくなります。
人生攻略のカギは時間という資源の相手方勘定科目にあるのです。
このことが明快に腑に落ちている人は、
多少知識に抜け漏れがあったとしても、簿記をしっかりと学べていると言えることでしょう。
「簿記は勉強した方がいいよ」
と言われただけでは、
「そうなのかな?そうなのかもしれない」
と思うかもしれませんが、
このように、人生全体の貸借対照表や損益計算書に影響する概念だとわかるようになると、学習する意味が多少なりともありそうだと感じると思います。
特に、事業を実際に行っている人は、(税理士さんに頼っている場合でも)簿記のことを知らざるを得なくなるため、勉強がはかどりやすく、上記のことが腑に落ちやすくなるでしょう。
人生攻略のカギは時間という資源の相手方勘定科目にあるのです。