プロフェッショナル
という言葉がありますね。
この言葉にあなたはどのようなイメージを持っているでしょうか?
専門家
という言葉も近いイメージを持っているかもしれませんね。
なんだか凄そう、と感じるこれらのイメージですが、
プロフェッショナルや専門家と呼ばれる人たちは結局何が凄いのでしょうか?
たくさんの知識があるからでしょうか?
でも、知識自体はインターネットで検索すればいくらでも出てくる時代です。
「ググればある程度のことはわかるじゃん」
と多くの人が考えている時代ですが、
それでも、専門家やプロフェッショナルと呼ばれている人は今なお特別な存在とされている理由は何でしょうか?
それはおそらく、
1の事実を聞くだけで、そこから10の仮説を立てることができるから
という要素が大きいでしょう。
プロフェッショナルは情報を集め、問題を理解するために1つの情報や質問を大切にし、それを元にして複数の仮説を立てる能力を持っています。
そもそも、複雑な問題や課題に対処する際に、1つの仮説だけでは不足することが多いです。
その1つの仮説が通用しなければその時点で話が終わってしまいます。
その仮説自体が正しいことは重要ではなく、いくつもの仮説を立ててそれらを検証できる方がはるかに重要なのです。
1つの情報から多くの仮説を導くことが、問題解決や意思決定の過程で非常に有益であることがおおいのです。
そして、プロフェッショナルは自身の専門知識と経験を活かし、1つの情報から多くの仮説を導き出すことができます。
「○○ってことは××なのかな?」
とか
「○○ってことは◆◆の可能性もあり得るな」
といった感じで次から次へと色々なことが思い浮かびます。
これにより、問題の多面的な側面を考慮し、その中から、より効果的な戦略や解決策を見つけ出すことができます。
単一の情報や質問に対して深い洞察力を発揮し、多くの仮説を立てることができるのですね。
ちなみに、最近では、
「わからないことがあれば、ググればいいじゃん」
と多くの人が考えているわけですが、
実際には、
「ググったことによってより多くの情報や知見を得られる人」
もいれば、
「ググったけど、結局一般論や表面的なことしかわからなかった」
というタイプに分かれます。
前者の人はより多くの仮説を立てていることから、Google先生に頼ることによってさらに情報を得られる一方で、
後者の人は、そのような洞察力が備わっていないので、Google先生に頼っても良い情報に出会えません。
プロフェッショナルや専門家と呼ばれる人たちはその洞察力の高さによって、インターネット検索をも効率的に使いこなすことができます。
そして、より多くの仮説に対して、より多くの検証を行うことが可能になるのです。
また、彼らはAIとの関係でも「優秀な上司」として彼らを使いこなすことができます。
このような専門知識や経験を活用して情報や問題にアプローチする能力としては、以下のような卑近な例が考えられます。
- 医療の分野: 医療専門家は、患者からの症状の説明を受けると、病気や疾患に関する多くの仮説を立てることがあります。例えば、患者が胸痛を訴えた場合、医師は心臓疾患、肺疾患、消化器系の問題などさまざまな仮説を考えます。その後、適切な検査や評価を行い、正確な診断を立てるための情報を収集します。このプロセスでは、専門的な知識と経験に基づいた仮説が鍵となります。
- 科学研究: 科学者は新たな研究プロジェクトを開始する際、既知のデータや仮説に基づいて実験計画を立てます。彼らは既存の知識に疑問を投げかけ、新たな仮説を立てて実験を行い、データを収集し解釈します。この過程で、仮説が確認されるか否かによって、科学の進歩が推進されます。
- ビジネス戦略: ビジネスのプロフェッショナルは、市場動向や競合状況を分析し、事業戦略を策定する際にも仮説を立てます。たとえば、新たな市場に参入する際、その市場で成功するためにはどのような要因が重要かを仮説として立て、それに基づいて戦略を展開します。また、市場での商品やサービスの需要を予測するためにも、多くの仮説が絶えず検討されます。
「1を聞いて10の仮説を立てる」という能力は、問題解決や意思決定において非常に重要であり、専門家やプロフェッショナルがその分野で成功するために持つべきスキルの一つなのです。