積極的に他人を助けるタイプとそうではないタイプの人がいると思います。
積極的に他人を助けるタイプの人の中にも、
自己犠牲の精神をいとわずに他人を助けるタイプの人と、
自己犠牲の精神はさほど高くはないが他人を助けるのが好きなタイプの人
がいるのではないか、と私は考えています。
私はどちらかというと後者の
「自己犠牲の精神はさほど高くはないが他人を助けること自体は好きなタイプ」
に自分は近いのではないか、と考えています。
前者はいわゆるLOSEーWINでもかまわないと考えているタイプかもしれません。
一方で、後者はWINーWINを積極的に目指すタイプなのかなと思っています。
有名な『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』という本においても、ギバーと呼ばれる人の中にも種類があるとされています。
すなわち、自己犠牲精神が強すぎるギバーは成功しにくいものの、お互いの共通の利益を叶えることができるタイプのギバーはむしろ成功しやすいという傾向があるとのことです。
一体どの程度の頻度において他人に与える必要があるのかは私の中ではピンときていませんが、
誰かに何かを与え続けるというのはリソースの問題として自ずと限界があるため、限界を超えるレベルに何かを人にあげまくるのはそもそも自分が死んでしまう確率があるためリスクが高いと思われます。
以前の記事で私は、たとえ親であっても自分の時間やお金や物を与えすぎない方が良いと考えていると書きました。
このタイトルだけ見ると、なんだか非常に冷たい人だと思われるかもしれませんが、
むやみに、何も考えずに、人に有限な資源を与え続けても、自分が苦しくなる可能性があって、しかも、相手の感謝の気持ちもさほど大きくはならないという感覚を重視しています。
つまり、効用を見ていくと、LOSEーWIN、しかも、WINも大して大きいと相手に感じてもらえない可能性があると危惧しているわけです。
こう考えると、効率が悪いのではないか、と思ってしまうのです。
どうせ、他人にWINを与えるのであれば、なるべく自分の有限な資源を使うことの無いような方法にして、LOSEーWINという状況を回避したいところです。
そして、結果的にWINーWINになるのであれば積極的にそのような方法を選びたいと考えています。
逆に言えば、そのような良い方法といえない提案を受けた場合には
「NO DEAL」
すなわち、その取引をそもそもしないという方向性にする必要があると考えています。
例えば、実家の親から
「帰省をして欲しい、そして、実家の草むしりもお願いしたい」
などと言われたとしましょう。
草むしりをしてあげたら確かに相手である親から見るとWINかもしれません。
しかし、私の視点から見ると、帰省をするだけで往復分の交通のための時間が何時間も取られますし、もちろん交通費も必要になります。
その上、実際に草むしりをするための時間と労力が必要です。
そこまで私が労力を注ぎ込んでも、それによって、実現できる価値というのは、
「実家の一部分における草が無くなって土地が綺麗に見えるようになる」
これだけです。
コストとパフォーマンスが明らかに釣り合っていません。
そして、私が敢えてやる必要性も限りなく低いです。
他の人に頼めば十分な内容でしょう。
もしかしたら、労働分の賃金が親からもらえるかもしれませんが、これによって失われた私の時間は戻ってきません。
したがって、そもそもこのような取引に応じない
「 NO DEAL 」
を選択するという結論になります。
要するにお断りするのです。
では、どのような内容だったら断らないのか、と言われたら
①自分がやっていて苦にならない、あるいは重要な活動に時間を投下する形で
②しかも、それによって一人だけに貢献するのではなく、結果的に大勢の人に貢献できる波及効果が高い物
を提供する場合なのかなと考えています。
①というのはタイムマネジメントの観点でいうと、私の活動が第1領域や第2領域、すなわち重要な活動に位置づけられているといえる場合を指しています。
これは、平たく言うと、「自分にとって好きな活動や意義があると思える活動」しか原則やらないという考え方です。
どうしても、自分がやりたくないことに時間を使ってしまうとストレスが溜まりがちですし、
「なんでこんなことに私は時間を使ってしまったのだろうか?」
などと考えてしまいがちです。
まさに、後悔しか残らない、第3領域や第4領域の時間の使い方です。
したがって、他人のためになると言っても、そもそも私がやる必要など無く、代わりの人などいくらでもこの世に存在するのですから、
①自分がやっていて苦にならない、あるいは重要な活動に時間を投下する形
以外の場合に該当すると思われるときには原則としてお断りするという話になります。
次に、
②一人だけに貢献するのではなく、結果的に大勢の人に貢献できる波及効果が高い物
であることも重視しています。
これは純粋に効率性を考えてやっています。
例えば、このブログのように特定のテーマについて私なりの考え方や情報を予めまとめておいて、
その情報を必要としている人が目の前に出てきたら、
「このページを読んでみてください」
と言って、URLをコピペして送りつけるだけで、情報を与えることができるため、自分の時間をほとんど食いません。
昔は、講演会などに呼ばれたらその都度時間を取って開催するのも良いかなと考えていましたが、
冷静に考えると、同じ内容を何故私が時間をかけて何度も喋らないと行けないのでしょうか?
聞き手も、リアルで聞くと早送りとかスキップとかができないのが辛いと思います。
講演会は1回だけ開催して録音や録画をしておいて、その後その内容を聞きたい人に対して音源を交付すればいいわけです。
すなわち、情報をいつでも取り出せるように記録しておいて、多数の人が見ることができる状態にすることができるようにしておくこと自体が効率の良い社会貢献に繋がるのではないか、と考えています。
このように、自分の思想や情報、知識、知恵を用いて、1回限りでは無く、重畳的に社会貢献をすることを意識した方が結果的に私の負担も軽いですし、波及効果の高い社会貢献に繋がる可能性が高いのです。
したがって、私はこのような方針を持って今後は社会貢献をすることを意識したいと考えています。
単純に、時間をかけて労務を提供するなどの方法、いわゆるボランティア活動も良いとは思ってはいますが、
しかし、時間は有限であるということを考えるとボランティア活動のために時間を使うことの乱発はどうしても避けたいです。
社会貢献や他者貢献をすると一口に言ってもやりかたは様々です。
自分の状況や方針に合わせて適切な方法を選べるようになりたいですね。