未知との遭遇と、それを乗り越えること
その繰り返しによって、私たちは小さい頃から成長を続けてきました。
例えば、今では当たり前のように自転車を漕ぐことができる人であっても、
最初は、補助輪付きであってもどうやって自転車を動かすことができるのかわからなかったことでしょう。
最初は補助輪がついている状態で少しずつ足を動かすことによって、
「なるほど、自転車ってこうやって進むんだ」
ということがわかるようになってきます。
そして、次に、補助輪を外した状態で自転車に乗ることになりますが、これを一気に行えた人はかなり少ないでしょう。
例えば、近くにいる大人に補助輪を外した状態で自転車を支えてもらいながらも少しずつ足を動かすことによって、
補助輪なしの状態でどのように自転車が動くものなのか、少しずつ体験していくことによって、はじめて、補助輪なしの状態で自転車を漕ぐことができるようになっていったことでしょう。
こうした記憶は今では多くの人は忘れてしまい、
「自転車なんて普通に漕ぐことができる」
と思いがちですが、
よくよく思い出してみると、
初めての時には少しずつ怖がりながらも前に進んでいたことが思い出せるはずです。
ところで、このような自転車に乗るという単純な動作以外にも
「初めて行うこと」
に私たちはある程度成長した後からであっても遭遇し得るわけですが、最近そのようなことにどの程度取り組んでいるでしょうか?
いつの間にか、
「今までやったことがあることしかやらなくなった」
という状態に陥ってはいないでしょうか?
「初めて行うこと」
といってもその難易度は様々でしょう。
一人で海外旅行に行くといったことも人によっては初めてでしょうし、
他の例で言えば、
株式投資をしてみること
や
起業をしてみること
といったことも人によってはそうかもしれません。
「もし、上手くいかなかったら大変そう」
といったイメージがある場合、これらのことに取り組んでみるのは億劫だと感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、そのような場合にはタスクを分割してみることを意識してみるのが良いでしょう。
例えば、株式投資で言えば、株式の購入までに至るまで
①開設したい証券口座の証券会社の候補を探す
②必要書類を用意して、実際に開設手続きを行う
③証券口座で買いたい銘柄をリサーチしてゆっくりと考える
④証券口座に入金する
⑤実際に、証券口座で銘柄の注文を行ってみる
といった形で、地味にいくつものハードルが存在します。より細かく分けることも可能でしょう。
そして、株式投資をやったことがない人によって、
「①~⑤までを一気に取り敢えずやってください」
と言われても困惑することが多いでしょう。
むしろ、これらの工程を把握するのに2か月、
①を考えるのに2週間
②を行うのに1か月
といった形で長すぎるレベルに期間を取ってそれぞれの工程を進めるのであれば少しは心理的ハードルが下がっていくため、
「そのくらいゆっくりと進むのであれば、まあ良いかもしれない」
と感じるかもしれません。
特に、株式投資を行う場合、④の段階で
「変なところに誤って入金手続きをしてしまうのではないか。もし、失敗したらどうすればよいのだろうか。」
などといった心配をしてしまう人も多く、この段階で手が止まってしまう人もいるようです。
株式投資に慣れている人にとっては、
「いやいや、そんなことで心配しなくても……さすがに大丈夫でしょう。」
と感じるかもしれませんが、初心者にとっては気になるところです。
初めてのことというのはそれほど多くの人にとっては怖い事なのです。
それゆえに、
タスクをより詳細に、具体的に分割すること
ができるかが重要になってきます。
これをスムーズに行えるようになると、どんなに難しい事であっても、初めてのことであっても、少しずつ前進することが可能なので良い結果を得ることのできる可能性が高まります。
そして、そのようなやり方をあらゆる「初めて行うこと」に適用させることによって、
「初めての事であっても、それなりに上手くできる人」
になっていくのです。