片付け習慣が身についている人が持っている強みは、
今目の前に存在している物が、現時点においても最適な物であるかをチェックする習慣が身についていることが多い
という点にあるでしょう。
すなわち、
しっかりと、片づけを心がけている人というのは、
かつての最適解を再び検証していると言えるのです。
例えば、
5年前に、
「この家具こそが私の生活に相応しい!必要!」
と感じて、満を持して購入し、しばらくの間は、
「やはり、あの選択が私にとっての最適解であった」
と感じた物であっても、
5年も経ってしまうと、
いつのまにか上位互換の新機種が出ている
とか
前提となる環境が変わってしまっている
といった事情によって、
かつての最適解が最適解ではなくなってしまっていることもあるのです。
他の例で言えば、
かつては、銀行口座に預金を行う習慣を身に着けることこそが重要だと言われていたのに、
今では、
「貯蓄から投資へ」
というスローガンのもとに、
やっぱり投資もやっておいた方が良いよね、といった雰囲気が広まってきていますが、
貯金がもてはやされていた時代というのは、現在とは異なり、
10年の定期預金の年利が8%
といった時代でもあったため、
そのようなかつての環境を想うと、
「銀行口座に預金をコツコツとしておくことこそが大事だ」
といったかつての言説には、納得がいくでしょう。
近年は、株高の雰囲気があることから、投資をした方が良いといった風潮があるように感じますが、
この株高が終わってしまえば、前提が変わってしまったとして、
「やっぱり、投資は微妙」
といった雰囲気が広まってもおかしくはないでしょう。
現在の最適解というのは、飽くまでも、現在の環境によって規定されているにすぎず、環境が変わってしまった瞬間に最適解というのは変わってしまうわけです。
そういう意味で、先を見ている人というのは、
「今、当たり前のようにある前提が崩れてしまう可能性」
というのを常に考えて、
「次は、これを用意しておいた方が良いかもしれない」
という仮説を立てられる人であるでしょう。
一発屋に終わることなく、長年、上手くやっている人というのは、こういった前提となる環境が変わってしまう可能性を常に忘れないのです。