数年前に同じ職場に勤めていた先輩が退職しており、久々にその人をネット上で発見しました。
当時は、私も新卒入社したてだったので、その人とそこまでたくさん話す機会は無かったのですが、
端から見ていても、とにかく仕事が忙しそうだ、という印象でした。
私自身はまだ仕事に入ったばかりで慣れていなかったので、なかなか夜遅くまで帰れなくとも、
まあ、ちょっときついけどまだ仕事が効率的にできないからこんなものなのかな?
と思うところはありました。
しかし、その先輩は私よりも何年間か働いているはずでしたが、終電を逃し何度も深夜にタクシーを使用して帰っているようでした。
その頃はコロナ禍の前だったので、当然リモートワークはほとんど導入されていなかったというのがあって、仕事があれば勤め先のオフィスで働いていることが多かったのです。
結局その人は、コロナ禍の折りには退職してしまいました。
最後には、
「やっぱりワークライフバランスは大事だと思う」
と言い残して、、、
その人は退職後別の勤め先に転職したと聞いていたため、現在もそこで働いているものとばかり思っていたのですが、
先日たまたまその人が独立して起業しているのを発見してしまいました。
どうやら転職後の勤め先ではちょっと働いただけでやめてしまったようです。
経緯は正直よく分かりませんが、とにかく独立はしたようなのです。
その人が経済的自由を達成済みのFIREの住民だったら別に何の問題も無いのですが、
同僚だった頃にその人の生活費がそこそこ高かった(あ、私目線で高いと言うことですよ、念のため。客観的に見ると都心に住んでいる人の平均的な支出だと思います。)ことや、
「一家の大黒柱として頑張らなくてはならない」といったニュアンスの発言が何度かあったことを考えると
FIREしたというような状況でもなさそうなのですよね。
そして、その人の集客用のページを見たのですが、
「なんか、そもそも、コンテンツ少なくない?」
というのが第一の感想でした。
経緯を見た限りでは、独立してからは1年近くは経っているはずなのに、ページが10ページもないのです。
いや、もう、びっくりするほど少ないです。
さらには、その人はSNSも一つだけやっているようでしたが、
しかし、そちらも大してページが更新されていません。
内容が濃いわけでも無いため、当然、閲覧数も少ないでしょう。
また、集客用のページに自己紹介のページもありましたが、
かつての勤め先の名前は書かれており、そこでおおよそどのような分野に関する仕事をしてきたのかという程度は分かるのですが、逆に言えばそれ以上のことはわからない記述になっています。
おそらく、もともとの勤め先のブランド価値を最大限活かしたいという気持ちがあるのでしょうが、逆に言えば、それ以外の情報があまりありません。
私はその人に対して少なからず印象があるのですが、おそらく初めて見た人にとってはその人の人物像が全く分からない状態でしょう。
一応、顔写真も載せているようですが、もともと特段印象に残りやすい見た目の方でもないので、おそらく覚えてもらいにくいと思われます。
もしかしたら、ネット上の集客にそもそも期待していないのかもしれませんし、リアルでの紹介をメインに仕事をしているのかもしれませんが、
それにしても情報が少なすぎる
というのが率直な感想でした。
これは、よっぽど価格を下げないと仕事が来ないのではないでしょうか?
もし、私がその人と同じように独立して似たような集客用のページを創るとしたら、
①今までやってきた仕事の実績をある程度わかるように記述として出す(顧客からの感想は少しでも良いので必ず載せる)
②noteなどコンテンツにすることが可能なものは、収録しておいたり、kindle化しておいて予め出しておく
③SNSは2つ以上(Twitterを中心にして、実名の場合は、facebookも検討する。ブログでも良い。)
④SNSはその人の人物像がわかるように都度更新する
⑤集客用ページとSNSは連動させておく
あたりをまずは意識しますね。
そして、①~⑤を行うにあたって必要な行動や情報発信の習慣化を「独立する前に」やることが重要です。
そもそも、①についてはどのような仕事を今後やっていきたいかにもよりますが、基本的には顧客側は買い物を失敗したくないので、確かな提供価値をこちらから出せると言えるだけの実績を予めつくっておくことは極めて重要です。
また、②から⑤については情報発信の習慣を習慣化しておくということが重要になってきますね。
SNSに慣れていない人は何をそんなに更新すれば良いのか分からない場合もあると思われるので、これは時間をかけて少しずつでも良いので訓練する必要があります。
少なくとも勇気が無くてそもそも投稿ができないという状況は避けた方が良いと考えられます。
いわゆる、数字上のフォロワーが増えれば良いというものではなく、そのコンテンツを見た人のうちターゲットとなる人が、その情報量や質に満足できる状態を予め創っておくことが重要だと考えています。
これらはいきなりできるわけではないので、予め少しずつ準備を進めておくことがオススメなのかなと感じます。
おそらく、よっぽど暇な人以外は数ヶ月以上はかかると思われるので、空き時間などに少しずつ訓練しておくと良いでしょう。
そのような意味でも、勤め先で働いているときからタイムマネジメントの観点を意識することは重要になってくるのではないでしょうか。
私自身は特に今すぐに独立したい!というような強い願望を現状で抱いているわけではありません。
しかし、これからの社会を生きる人のほとんどは、どこかのタイミングで上記の方のように何らかの事情で独立を余儀なくされたりすることもあるかもしれません。
いきなり、独立したら成功できるかというと基本的にそんなことは無く、独立後の気合い以上に、「独立前に何を今まで積み上げてきたのか?」という土台の部分が重要になってくると思います。
それは、単純な仕事の実績(人的資本に相当する部分)も重要ですが、上記に書いたとおり
情報発信の習慣
も大事になります。これは広義のコミュニケーション能力という話ですね。
また、これに関連して、
人的ネットワーク、社会資本がどのぐらいあるのか
というのもかなり重要です。
起業する前にはネットワーク作りを頑張らなければならない
という話があるくらいですから、助け合える人と繋がりが持てているのかも重要ですし、このような人と安易に人間関係を切らないようにすることも大切でしょう。
もちろん、人間関係の構築の能力に優れた人は、不要になった人間関係を整理して、人間関係のポートフォリオを組むこともできます。
また、前提として、基本的なことを言うと、時間管理の能力も極めて重要でしょう。
独立した人にとっては自分の時間こそが最大の資源になるのですから、それを有効活用できるようにすることがとてつもなく重要なのです。
独立した人にとって基本的に頼れるものは自分の能力やスキル (人的資本に相当する部分) 、という話になるわけですが、能力やスキルというのは口を開けていたら天から勝手に降ってくるようなものではなく、自分の時間という稀少資源を投下し、意図的な修練を積むことによって初めて手に入れることが可能になるものです。
もちろん、時間だけが必須になるわけでは無く、場合によってはスキルを付けるためにはお金が必要になる場合もあります。
(でも、情報商材は玉石混合なので、安易に手を出してはいけませんよ)
また、時間が無いと人間関係も基本的には構築することができません。
時間を節約してコミュニケーションをとれるようにするためには、一定の工夫が必要になります。
そして、このような稀少資源である時間はお金を投じることによってある程度確保することが可能になるので、やっぱりお金(金融資本)は大事!という話になってきます。
お金を稼ぎたいから独立したいのに、と思う人もいるかもしれませんが、独立しようが独立しなかろうが、ある程度の時間はお金で買うことが可能になるため、やはりお金を持っている人の方が有利になりやすいという面は否定できません。
以上のように考えていくと、
「独立前に何を今まで積み上げてきたのか?」という土台の部分とは一体何なのか?について、私から簡単に一言で言えば、
時間管理能力を身につけた上で、人的資本と社会資本と金融資本をできる限り積み上げることができるような思考や行動の習慣化を習慣化すること
を指すことになると思われます。
因みに、「習慣化の習慣化」については過去において総論を扱っていました。
今は普通に働いていても、独立をいつかせざるを得なくなってしまう人の方が数としては多いと思われるので、勤め人の時代から上記のことを意識しておくのが良いのかなと考えました。