それなりのコミュニティやお店などは、
「会員制」
や
「紹介制」
という制度になっていることが多いです。
大抵の場合、
入会金や会費が高額だったり、
店舗の外側に「一見さんお断り」といった張り紙があったり、
そもそも金融資産1億円保有していない人は入会要件からはじかれたり、
といった具合に一定のハードルが存在していることが多いです。
特に、金額で敷居を高めている場合というのは、
いわゆる、懐に余裕のない貧乏人にとって手が出しにくくなっているという意味で、一定のスクリーニングがされています。基準が非常にわかりやすいです。
例えば、年会費500万円くらいする勉強会などがあるのですが、それは、保有資産が多い人だったり、法人による会員ばかりだったり、というのがあるので、勉強の意欲がない人、会社内で幹部候補と見られていないなど将来性が低い人というのは事実上入れないようになっています。
このように、スクリーニングがされて、
「いわゆる、まともな人しか購入できないサービス」
というのはそれだけでブランド価値が付くようになる、という側面もあります。
もっとも、そのような高級感のあるサービスの場合、
取り敢えず、金額だけ出せればスクリーニングが突破できる、という仕組みのみにしておくと、思わぬ人がスクリーニングを突破して来て、それが原因でまともな人がコミュニティから離れてしまう、という現象も起こり得ます。
最近、話題に挙がりやすいのは、「港区女子」と呼ばれる人たちかもしれません。
「港区女子」という呼称が正しいのかはわかりませんが、女性の中には、主に成功していて金銭的に余裕のある男性と一緒にお店に来るなどの方法によってブランド物や高額なサービスを自分の懐を傷めずに得ている人がいるようなのですね。
そして、これは何故なのかは、まあ冷静に考えると、よくわかりませんが、そのような女性は「まともな人じゃない」として実際のところあまり歓迎されていないようなのです。
お店によっては、
「せっかくの家族の記念日に良い雰囲気のレストランを予約したのに、港区女子と呼ばれるような雰囲気の女性と男性の組み合わせが近くにいて、品性のかけらも感じられず、すごく不快だった」
といった感想を漏らして、次からはもうそのレストランを予約しない、といった行動に出る人も出てきました。
また、いわゆるブランド物に関しても、
「港区女子と呼ばれているようなまともな稼ぎ方をしていない女性が買っているブランド物を購入していると自分までそのような人と同類と見られてしまうので買わなくなった」
という人も少なからずいるようです。
世の中には、別に整形などをするまでもなく、もともと見た目も良くて、若くて、専門的な知識などによってまともにキャリアを積んで高収入の女性もいるため、彼女たちからしてみると、稼ぎ方が全く違うにもかかわらず、港区女子と同じような扱いを周囲から受けてしまうリスクがあるとして、積極的に彼女たちと同じような消費行動を避けるという動きもあるようです。
このような動きはサービスを提供する側にとっても非常に由々しき問題です。
「まともな人にしか購入できない」
「一定の品質が保証されている」
という価値によってブランドを維持しているのにもかかわらず、それが一部の人によって「穢れ」として荒らされてしまっているからです。
このようになってくると、単に金額面でスクリーニングをするのではなく、
「一見さんお断り」
といった紹介制にせざるを得ないと考えるところが出てくるのもやむを得ないことでしょう。
そのようにしないと、ブランドや品質を維持することが難しいからです。
世の中には、
「金があれば何でも買える」
「金さえあれば欲しい物が手に入るはずだ」
として、それをモチベーションにとにかく儲けることを至上主義としている成金のような人もいますが、
残念ながら、このような店側の動きが加速すると、
「金があるのにもかかわらず、周りの人にうっすら嫌われている、避けられているので、誰からも紹介してもらえず、実際には欲しい物が買えない、手に入らない」
というサービスや商品も少しずつ増えてきます。
そして、
「金があるはずなのに、満たされない、寂しい」
という気持ちが芽生えてくることでしょう。
観測上は、金だけはたくさん持っているという男性がこのような症状に苦しめられやすいです。女性でも存在するかもしれません。
これはおそらく不幸なことでしょう。
単に金を稼げるだけでは意味がない、幸せからはむしろ遠ざかる可能性すらある、ということです。