やっている人は普段からやっているが、やっていない人は普段から全然やっていないのが、他人の信頼残高を高めるという行為です。
信頼口座とか、信頼残高だとか色んな呼ばれ方をしているようですが、人間関係は結局の所持ちつ持たれつの部分があるため、
他人にばかり要求して自分は他人に対して何もする気が無い
という人は時が経つにつれて自然淘汰されていく運命にあります。
いわゆる、家族などの「特別な関係」にあるような人たちの間では、ソーシャルゲームにおけるゲーム開始特典のようなもので、最初から信頼残高があるという状態からゲームがスタートすることもあるのですが、
そんな特別な関係にない間柄の人同士では、信頼残高が0の状態がスタート地点になります。
そして、信頼残高が0やマイナスの状態になっている人というのは端的に言うと相手から避けられるようになります。
相手から選ばれなくなってしまうわけですね。
家族の間でも、信頼残高が本来はそこそこあるはずだったのに油断したりしていて、0やマイナスになってしまい、結局疎遠になってしまいます。
家族だから良い関係であるべきだという話は通用しないわけですね。
この辺りは最近はギバー(与える人)とかテイカー(奪う人)だとか色んな呼ばれ方をされています。
そして、最初から信頼残高のボーナス特典がゲットできてしまう人というのは結構危なくて、油断すると自然とテイカーになりやすいです。
具体的に言うと、若い人などを始めとして、
「何だかんだチヤホヤされてきている人」
が危ないです。
この様な人は、何もしなくても最初から信頼残高のボーナス特典がゲットできてしまうが故に「これが当たり前」だと考えてしまいがちなのです。
家族などの間でもいつのまにか仲が悪くなってきてしまったり疎遠になってしまったりするパターンがありますが、それも、「家族なのだから○○やってくれることが当たり前」だと思ってしまった辺りに発端があったりします。
逆に言えば、その落とし穴に気づいてさえいれば最初からボーナス特典がゲットできているのですから、その信頼残高を無駄に減らさないようにすることによって安定的に良い状態をキープできます。
そして、信頼残高を高める最大のメリットは、一見無茶なお願いでも簡単に通るようになる点です。
お願いに答えてもらうことはすなわち相手に何か働いてもらうことを意味することが多いのですが、
この労働の内容が事実上非売品の場合があったりします。
普通の勤め人は、自分の労働力という商品を売ってその対価として勤め先から賃金を受け取っているわけですが、「お金をもらってでもやりたくない」と言われてしまうような労働も中にはあるわけですね。
このような場合、いくらお金を積んでも相手に対するお願いが全く通りません。
お金で買えない物を手に入れるためには予め時間をかけて信頼残高を高めておく必要があるわけです。
そういう意味では、資産形成の文脈でお金を貯める、銀行口座や証券口座の残高を高めることも大切ですが、信頼残高を高めておくという行動も長期的に見れば重要なんですよね。
これらは、それぞれ別のネットワーク上において他人と取引をするために必要なツールになるため、一長一短のところがあります。
また、最近は自分の部屋にある不要品をメルカリなどで売却して換金することも流行っているようです。
これは、要は銀行口座の残高を高める行為であって、貨幣経済において使用できるツールを増やす行為なのですが、
しかし、メルカリを通した取引によってプラットホームに手数料などが取られてしまうことなどを考えると、これをメルカリで換金するのではなく、身近な人にお裾分けすることによって信頼残高を増やす行為に振るという考え方もアリだと思っています。
中間搾取を考えると場合によってはこっちのほうがコスパがいいかもしれないですね。
信頼残高は数値が目に見えない、可視化されないものなので、銀行口座の残高を増やすよりもその達成度が見えにくいという弱点がありますが、
しかし、これは貨幣経済というある種のネットワークにおける取引では決して達成できないような奇跡を起こすことも可能なツールです。
時間がかかるものの、普段から信頼残高を意識できるようになると人生が少しずつ変わってくると思います。