日本では、夫婦財産契約を締結する夫婦はまだ少数派ですが、これらの夫婦は一般的な夫婦よりも離婚しにくい傾向があります。
その背景には、夫婦財産契約を締結するに至るまでの過程で明らかになる、結婚に対する成熟度やリスク管理能力の高さが影響していると考えられます。
夫婦財産契約の締結に至らない場合は結婚しない可能性
そもそも、夫婦財産契約を検討するカップルは、結婚という法的な契約を単なる感情や勢いではなく、将来を見据えた冷静な判断として捉えています。
そのため、契約内容についてお互いの意見が合わなかったり、将来のリスクについて十分に話し合えなかったりした場合、安易に結婚を選択せず、関係性を見直すという選択肢を選ぶことがあります。
例えば、AさんとBさんは結婚を考えていましたが、夫婦財産契約について話し合う中で、お互いの金銭感覚や将来設計に大きな違いがあることが分かりました。
その結果、二人は結婚を延期し、それぞれの価値観を見つめ直す時間を持つことにしました。
法的な拘束力への理解の浅いカップルはリスクに対する想定が甘い
一方、夫婦財産契約を検討すらしないカップルは、結婚によって生じる法的な拘束力についての理解がそもそも浅く、将来に起こりうるリスクに対する想定が甘すぎる傾向があります。
そのため、結婚生活が始まってから、予想外の問題に直面し、夫婦関係が破綻してしまうケースも少なくありません。
例えば、CさんとDさんは、付き合ってすぐに結婚しましたが、結婚後にCさんのギャンブル依存症が発覚し、そのままCさんのギャンブル依存症は治らず、夫婦の貯金を使い果たしてしまいました。
もし二人が結婚前に夫婦財産契約を締結していれば、DさんはCさんの借金から財産を守ることができたかもしれません。
夫婦財産契約を締結できる夫婦は将来のリスクに対する想定と準備ができている
夫婦財産契約を締結できる夫婦は、結婚前に将来起こりうるリスクについて具体的に想定し、その対策を二人で話し合うことができます。
この過程を通して、お互いの価値観や金銭感覚を深く理解し、信頼関係を築くことができるため、結婚後も困難な状況を乗り越えやすいと考えられます。
まとめ
夫婦財産契約を締結できる夫婦は、結婚に対する成熟度が高く、リスク管理能力に優れているため、離婚しにくいと考えられます。
夫婦財産契約は、単なる財産の取り決めではなく、結婚生活における様々なリスクを想定し、二人で協力して乗り越えていくための羅針盤となるでしょう。