【第1636号】かつて資産とされていたものも実質的に資産ではなくなってしまうことがある

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私たちが生きる社会において、「資産」と呼ばれるものは時代や状況によってその価値が大きく変動することがあります。かつては誰もが「これさえ持っていれば安心だ」と信じて疑わなかったものが、時を経て価値を失い、場合によっては負担や負債にさえ転じるケースが見られます。この現象は、経済的なものだけでなく、人生における選択や価値観にも深く関わっており、私たちに柔軟な視点と適応力を求める教訓を与えてくれます。

住宅:土地神話の崩壊と負動産化

かつて日本では、「家を持つこと」は人生の成功の象徴であり、確固たる資産と見なされていました。特に高度経済成長期からバブル期にかけては、「土地神話」が広く信じられ、不動産価格は右肩上がりで上昇し続けると考えられていました。この時期、住宅や土地を購入することは、将来の安定や財産形成に直結する賢明な選択とされ、多くの人が借金をしてでもマイホームを手に入れようとしました。実際、土地や家は価値が上がり続け、売却すれば大きな利益を得られる「資産」として機能していました。

しかし、バブル崩壊後の現代では状況が一変しました。地方や郊外の住宅地では、人口減少や過疎化が進み、空き家が増加する一方で、需要が極端に低下しています。その結果、かつて高値で取引されていた家や土地が「負動産」と呼ばれる存在に変わってしまいました。負動産とは、維持費や税金がかかるばかりで売却もままならず、所有者に負担を強いるだけの不動産のことです。例えば、親から相続した古い家が解体費用すら賄えず、買い手もつかず、ただ朽ちていくのを眺めるしかないケースも珍しくありません。このように、時代が変われば「資産」として確信されていたものが、むしろ経済的・精神的な足かせとなることがあるのです。

子供:資産から浪費への価値転換

もう一つの顕著な例として、子供の存在が挙げられます。かつての社会、特に農耕社会や戦後の復興期においては、子供は家族にとって明確な「資産」でした。労働力として家業を支え、老後の親を養う役割を担うことが期待されていました。多くの子を持つことは、将来の安定を保証する手段であり、「子宝に恵まれる」ことは社会的にも祝福されるべきこととされていました。子供を育てることは投資であり、そのリターンは家族の繁栄や存続という形で返ってくると信じられていたのです。

しかし、現代ではこの価値観が大きく変わりました。都市化や核家族化が進み、教育費や生活費が膨大に膨れ上がる中、子供を育てることは「資産形成」ではなく「浪費」と見なされる傾向が強まっています。例えば、大学までの教育にかかる費用は数百万円から一千万円を超えることも珍しくなく、さらに就職後も親元に依存する「パラサイトシングル」やニートの増加が社会問題化しています。子供が親の老後を支えるどころか、逆に親が子供を支え続けるケースも増えています。このような状況下では、子供を持つことが経済的リスクや負担と結びつき、かつての「資産」としての価値が失われつつあるのです。

仕事:終身雇用と忠誠心の終焉

仕事における価値観の変化もまた、資産の概念が時代に依存することを示す好例です。戦後の日本では、一つの企業に就職し、忠誠心を持って長年勤め上げることが「安定した人生」の基盤とされていました。終身雇用制度のもと、会社に全力でコミットすれば、昇進や安定した給与、退職金といった形で報われると信じられていました。このような働き方は、個人のキャリアを資産として築き上げる手段であり、企業への忠誠心は将来の安心を約束する「投資」だったのです。

ところが、グローバル化や経済の変動に伴い、終身雇用は崩壊しつつあります。リストラや早期退職勧奨、正規雇用の減少など、企業が従業員に長期的な安定を保証できなくなった現代では、一社に依存する働き方がリスクとなりつつあります。例えば、長年勤めた会社が倒産したり、業界自体が衰退したりすれば、それまで積み上げてきたキャリアやスキルが一瞬にして無価値になる可能性があります。また、AIやテクノロジーの進化により、特定の職種が不要になるケースも増えており、汎用的な「資産」として機能していた仕事が、時代に取り残される危険性を孕んでいます。このような状況下では、転職やスキルアップ、副業など柔軟なキャリア形成が求められ、従来の忠誠心ベースの働き方が必ずしも資産とは言えなくなっているのです。

資産の普遍性への疑問と人生の教訓

これらの例から明らかなように、「資産」と呼ばれるものは決して普遍的なものではありません。時代背景や社会構造、個人の置かれた状況によって、その価値は大きく変動します。住宅は土地神話が崩れれば負動産となり、子供は経済的負担となり、仕事は終身雇用が消えれば不安定なものに変わります。このような現実を前に、私たちは何を学び、どのように生きるべきなのでしょうか。

一つ目の教訓は、「柔軟性を持つことの重要性」です。過去の常識や価値観に固執せず、時代の変化に適応する姿勢が求められます。例えば、不動産に依存するのではなく、流動性の高い資産やスキルを重視する、子供を持つかどうかを経済的合理性だけで判断せずライフスタイル全体で考える、仕事においては一社に依存せず自己成長を続ける、といった選択肢が考えられます。変化を恐れず、状況に応じて価値観を更新する柔軟性が、現代を生き抜く鍵となるでしょう。

二つ目の教訓は、「本質的な価値を見極める力」です。資産とされるものが一時的な流行や社会の思い込みに過ぎない場合があります。かつての土地神話や終身雇用の幻想に踊らされた人々が苦しんだように、表面的な価値に惑わされず、自分にとって本当に大切なものを見極めることが重要です。それは物質的な豊かさではなく、精神的な充足感や人間関係の深さかもしれません。時代に流されない軸を持つことで、資産の変動に振り回されない人生を築けるのです。

三つ目の教訓は、「リスクを分散させる賢さ」です。一つの資産に依存することは、時代が変われば大きな損失を招く可能性があります。住宅、子供、仕事といった人生の大きな要素においても、多様な選択肢を持ち、リスクを分散させる意識が求められます。例えば、キャリアにおいては複数のスキルを磨き、副収入の道を模索する。家庭においては、子供に依存せず自分自身の老後設計を考える。こうしたバランス感覚が、不測の事態に備える力を与えてくれるでしょう。

結論

「かつて資産とされていたものも実質的に資産ではなくなってしまうことがある」という現象は、私たちに価値観の脆さと変化の必然性を教えてくれます。住宅、子供、仕事といった具体例を通じて、資産とは固定的なものではなく、時代や状況に依存する流動的な概念であることがわかります。この現実を受け入れ、柔軟性、本質を見極める力、リスク分散の賢さを身につけることが、現代を生きる上での教訓となるでしょう。

資産の形が変わっても、自分らしい人生を築くための軸を見失わないことが、最終的に私たちを支える真の「資産」となるのです。

美紀のプロフィール
夢見がちな社会不適合者

社会人7年目かつ会社経営者(法人5期目)。
都内在住、マッチングアプリ上位0.0X%(上位3桁)の超人気女性会員。
フォーチュンレディ (Fortune Lady:幸運な女性)

かつて不登校になり片っ端から出席点を落としまくる。高校生の頃は家出経験も。
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INTJ型女性による皆既日食への歩み
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